続・LIGHT JOKER

□LIGHT JOKER〜LJ学園体育祭〜
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アタシがメインで出た話って前にあったわよね?ならヤーヴォシィとかラングサンに回してあげてもよかったのに……アタシは、「輪」のパエリア=シュリーク。さっさと終わらせて仕事行かないとね。
三十五気絶目、始まるわよ!



LJ学園の体育祭は特殊だ。全てのクラスで紅組と白組に分けるわけだが、全学年が一斉に体育祭に参加するため、何と初等部、中等部、高等部で混合なのである。
それも今年から始まったものだ。何故か生徒会長に将士が抜擢され、ワケの判らない提案ばかり無理矢理通している。体育祭の概要を書いたプリントには、
「小・中・高ごっちゃで紅白戦」
と大きく書かれていた。
そして紅組には、
高校三年生
圭・麗音
高校二年生
笑華・愛佳・空・朱雀
高校一年生
香織・七星
と、能力者や運動神経の塊や人外などが固まり、白組は、
高校三年生
将士
高校二年生
勇気・満人
高校一年生
こなた・泉
中学二年生
信夫
何の能力もなかったり、病弱な人間ばかりだ。こなたや将士は人並み外れた運動神経を持つが、能力者の前では何の役にも立たないだろう。



選手宣誓は生徒会長の将士だ。
「せーんせーっ。我々はァ、スポーツマンヒップにもっこりー、正々堂々と時間無制限武器使用可相手を殺さないことをルールにした血みどろの決闘を戦い抜くことをォ、誓うかボケェ!!」
真面目にやってほしいものだ。
「宣誓も終わったし、ちょっと会長から全校生徒に連絡だー。今回の体育祭、OBの人が二人参加してくれることになった。沖津修さんとクサンチッペさんだ。拍手ー」
パチパチパチ、とまばらな拍手が起こる。OBが一人や二人参加したところで小中高が混ざった超大人数の戦いにさしたる影響もないだろう。
「最後のOB同士の対戦に勝った方が勝ちだから、OBはちゃんと応援しなきゃダメだぞー」
一瞬、全校生徒が静まり返る。直後、
『バカか生徒会長!』
『知らん奴に紅組の運命を委ねられるか!』
『だいたいそれまでの競技意味ないじゃないか!』
将士に向けて罵声が飛びまくる。
「黙れお前らー。文句ある奴は一人ずつ相手してやるから後で体育館裏に来い」
拡声マイクで生徒会長なのに危ない発言をする将士。やはり喧嘩には自信があるのだ。
「じゃOBのお二人ー、くじ引いて白と紅に分かれて下さい」
「おう」
「うむ」
クサンチッペと修が将士の持っている箱に手を突っ込んでくじを探る。
二人は同時に手を抜いた。持っていたくじは。


修→紅
クサンチッペ→紅


「………………」
「…………紅組優勝ー。じゃ閉会式始めるぞ実行委員ども」
全校生徒は、一斉に怒った。
『フザケんなーっ!!』



結局修は白組に加わり、体育祭は幕を開けた。
空は高等部に所属しているが、六歳が十七歳に勝てるわけがないので初等部扱いである。空はそのせいで少しご機嫌斜めだ。
「ほら空、お前の番だぞ」
「……行ってきます」
「あぁいや、ちょっと待て」
「はい?」
圭が空を催眠術で眠らせた。
「にゃにゃ〜。呼んだかちっちぇー兄貴」
夕の登場だ。
「お前が出た方が面白そうだからな。能力はバレないようになら使っていい。猫に変身するのは禁止だ。中本や愛佳にもバレちまったのにこれ以上漏らすわけには」
「わーかったわかった。ちょっくら空っちの代わりに猫電チョートッキューな素晴らしき猫ダッシュをかましてきてやるにゃ」
「耳も尻尾も出すなよ」
「だーいじょぶにゃ〜」
夕は、集合場所へ向かった。



「位置について!」
スターターが宣言する。夕を含んだ八人の小学一年生がスタートラインに立った。
「用意!」
スターターが銃を真上に向ける。小学一年生たちはスタンディングスタートの体勢をとる。
(にゃにゃ♪)
この時夕は地形変化で自分以外の参加者の足を引っかけるように地面を操作していた。全員がこけたらバレないように元に戻す算段だ。
パァン!!
空砲が鳴る。
夕を除く七人の参加者は全員が揃って顔から転んだ。
「お先にゃ!」
猛烈な勢いで走り出す夕。
空は50メートルを八秒台で走るが、夕は六秒を切る。人間の脳は力を出し切らないために全力でも三割程度の力しか出ないようリミッターをかけているらしいが、夕は任意でそのリミッターを解除できるのだ。
対戦相手が起きあがる頃には夕は遙か先。もう夕は無視して二位争奪戦だ。
紅組高等部の控えでは。
「ぎゃーっはっはっはっはやってくれたぜ夕!味方までこかしてどうすんだー!」
「圭……あれ、夕ちゃんなの?」
「ああ、面白そうだったからな。あー、ウケる」
「もう……能力まで使っちゃって……」
圭が爆笑、笑華は呆れていた。
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