続・LIGHT JOKER

□LIGHT JOKER〜仲の良いクラスって〜
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あ〜……イタリア行きたいな……。ピサの斜塔が何度傾いてるのかを分度器で測りたいな……。
あ、自己紹介がまだだった。私、天上刀子。別に覚えてくれなくてもいいわよ。
四十二気絶目、れっつらごー。
……先っちょでピザ食べるんだぁ……。



昼休み。LJ学園高等部二年B組ではやはり例によって仲良し六人組が集まって弁当を食べている。
「じゃーん。見ろこの面白クイズ本!」
満人が通学鞄からクイズの本を取りだして笑華、空、勇気、愛佳、朱雀の五人に見えるように掲げた。
「今日は卵焼き上手く焼けたんだぁ」
「毎日私がコーチしてるからね」
「こらーっ無視すんな間桐!朱雀!」
「アん?」
「どうせオタクな本買うついでに見つけたんでしょ」
「そうだ!」
男らしい。
満人がパラパラと本をめくって、急に問題を出してきた。
「笑華!問題だ!」
「え!?私ですか!?」
「ある年の五月は火曜日と金曜日が四回ありました。この年の五月五日は何曜日でしょう?」
「……水曜日……」
一瞬の沈黙。
「……合ってるな」
「すごいね笑華。即答じゃん」
勇気が素直に賞賛する。
「……水曜日ですっ、が!この問題はこの本の何ページにあるでしょう!か!」
「知りませんよ」
「七十四ページ……」
「うわぁっ合ってる!空ちゃんって何者!?」
「どこにでもいる高校二年生です」
「六歳の高二はどこにでもいないわよ」
朱雀が指摘した。
「八百歳越えの高二もそういないと思うけどね……」
とは愛佳の言葉。空と笑華には笑えない冗談だ。
「八百?なんのことだ?」
「さぁね」
「さっきの問題、読心術持ちなら誰でも判りますよ」
「ああ、そうか。読心使ったのか」
納得するあたり、満人もだいぶ慣れているようだ。



「あのさ、あだ名って皆ないの?」
「え、俺はハンドルネームに『みっちー』って使ってるけど」
放課後。珍しく空や笑華まで混ざって例の六人組がだべっている。
「勇気は……」
「サイコキネシス」
空が口を挟んだ。
「おぉ!いい!いいよそれやるな空ちゃん!」
「はぁ」
「じゃ朱雀は、」
「年増」
今度は愛佳が口を挟む。
ピキーン、と朱雀のこめかみに青筋が浮く。
「愛佳のあだ名はチンカスにしましょう」
「ゴメンナサイ。やめてクダサイ」
「笑華は?」
「カレーだろ」
「待って下さい」
ここぞとばかりに空が首を突っ込んだ。
「笑華さんの自慢は何だか知っていますか?胸がない分、お尻の形が非常に整っていると自負しているんですよ」
「な!何でそんなこと知って……!」
「読心です」
「卑怯です!」
だが事実だ。臀部の形や大きさがかなり整っていることを笑華は自覚し、それを密かな自慢としている。
「お尻。カレー。この二つの特徴から導き出されるあだ名と言えば……」
「うんこだな!!」
「うんこね!」
「うわははは、うんこ!笑華うんこ!」
「呼ぶ方が恥ずかしくないですか……?」
ぎゃはははと笑いながらうんこうんこと連呼する満人と愛佳と朱雀。
「うんこー!」
「うんこー!」
「下痢ー!」
もはやいじめに近い。というか、言っていることが小学生レベルである。
「何なに?何の話してんの?」
そこに、クラスメートの相田良介と大田次郎が混ざってきた。
「皆のあだ名を考えてるんだよ。空ちゃんのセンスがよくてさー!」
「んじゃクラスの皆のあだ名考えてもらおーぜ!」
「え……」



というわけで、クラスメートのあだ名を考えることになった空。とりあえず教室に残っていた者のあだ名をつけることとなる。
「相田は?」
「リョウちゃん」
「可愛すぎて恥ずかしい!もっと他にないのか!?」
「……バカな子供」
「ストレートすぎて痛い!」
何やらこの役を与えられたことが空は気に食わないらしい。
「そのままだもの」
「あだ名というより感想だもの」
「どっちがいいですか?」
「え……じゃあリョウちゃんで」
「次は大田だな!」
「あだ名ってのはその人の見た目や仕草からつけるからね。目立った特徴のない大田は難しいんじゃないかしら」
さりげなく酷いことを言う朱雀だが、次郎をはじめ誰も気にしていない。
「……プレーンヨーグルト」
「決定だ!!砂糖を混ぜ込んでやろうか!」
「やめてよリョウちゃん……」



残っていたメンバーは全員暗い顔をしてうつむいている。
「えぇーと……全員つけ終わったのかな?」
どうやらそのようである。空の毒舌あだ名にクラスメート達はあえなく撃沈したわけだ。
「じゃ最後は空ちゃん自身だな」
「…………え?私が私につけるんですか?」
「他に誰がいるのよ」
「え…………。……。…………姫」
「どうした!?急にあだ名のキレが鈍ったぞ空ちゃん!」
「いや、だって自分につけろというのは酷じゃないですか……?」
困る空を、うんこ(笑華)がニヤニヤしながら見ていた。
そんな感じで、二年B組はいつでも仲良しなのです。というお話でした。





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