続々・LIGHT JOKER

□LIGHT JOKER〜爆進!!生徒会〜
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「そんなぁ……」
結局、半ば無理矢理、満人も生徒会に居座ることとなった。



「よし、さて」
とりあえず落ち着き、将士が手を腰に当てて仕切り直した。竜二はどこから持ってきたのか、棒付きの飴玉をなめている。
「生徒会の仕事をしないといかん。けど、仕事は全部あいつらに任せてたから、正直何をすればいいのかさっぱり判らん」
「ダメじゃないっすか」
「というわけで最初の仕事は、仕事を探すことだ」
「まあ待て」
竜二が飴をなめながら器用に話し始めた。
「何でお前らだけでやる必要がある?そんなモン、お前らが死ぬまでやっても終わるかどうか判らんぞ」
「ひどい……」
「というか、終わらん」
「断言しちゃった!?」
「つっても、今生徒会には俺と満人しかいねーし……あ、そうか!」
何かに気付いたらしい将士を見て、竜二は飴をなめることに専念し始めた。
「満人!最初の仕事が決まったぞ!」
「何すか」
「生徒会の再編だ!」
「……。なるほど」
「先生!選抜基準は?」
「ん?ああ、面白そうだからお前の好きにしろ。人数制限は八十人までだ」
「多っ」
「んじゃ早速……」
「ただし」
携帯を開いてアテのある人物に連絡しようとしていた将士を、竜二が止める。なめ終わった棒付き飴玉の棒をゴミ箱に放り投げてから続きを話した。
「顧問から条件を二つ出させてもらう」
「条件?」
「まず一つ、各クラブの部長、副部長は生徒会のメンバーに入れるな。もう一つは、この学校に通ってる俺の娘二人を生徒会に入れろ」
「「…………」」
((前者は普通に納得できるけど、後者の方は何か腑に落ちない……!))
ここで「ん?」と将士が気付く。
「あ、じゃあ俺会長やめます」
「はぁ!?何言ってんすか!」
「いやだって俺、卓球部の部長だし」
「バカか。お前は会長だろ。会長がどっか行ってどうする」
「何すかソレ。条件に反してるじゃないすか」
「入れるなと言ったんだ。元々入ってたんならしょうがない」
バカにされ続けて、そろそろ将士も手が出そうになってきた。満人はいつでも逃げられるように緊急回避用の避難経路を確認した。
「ンだよあんたさっきから偉そうにモノ言いやがってよォ。ケンカ売ってんのなら相手するぜ?」
その言葉を聞いて、竜二は懐からすっと封筒を取り出した。
「これが何だか判るか?」
「封筒か?」
竜二は机に乗せていた足を下ろして、封筒にシャーペンでさらさらと文字を書いた。
「見ろ」
「……退学、届?どっかで見たような字だな。……まさか」
「お前の筆跡だ。完璧にコピーした。勿論印鑑も用意してあるぜ。実印をな。俺がこれを持っていくところに持っていけば、お前はこの学校から除外されるわけだな」
「横暴だ!!」
「横暴だな」
「鬼畜!」
「知らなかったのか?」
昨日から働き始めだというのに知っているはずがない。
「お前が会長として役員に命令できるように、俺は顧問として会長に命令できるようになってるんだよ」
「なってるんじゃないだろ。あんたがそうしたんだ」
「よく判ってるじゃないか」
将士の負けだ。もっとも、ケンカに持ち込んだとしても将士はフルボッコにされるであろうことは容易に想像できる。
机に手をつきがっくりとうなだれる将士。が、ちょうど手のあたりにあった太ペンを間髪入れず手首の力だけで竜二に投げた。
「あ」
声を上げたのは満人だ。ヤバいと思ったらしい。教師に手をあげれば謹慎処分や停学になるかもしれない。そうなると生徒会の仕事は全て満人がやることになる。
とんだペンは見事に竜二の顔に命中。竜二が頭だけのけぞる。
「…………!!」
顔を戻した竜二は、ペンを口にくわえていた。飛んできたペンを歯でキャッチしていたのだ。恐るべき動体視力と反射神経だ。並の人間にできる芸当ではない。
くわえたペンを手で机に置き、竜二は将士に凄絶な笑みを向ける。
「今のは、宣戦布告ととっていいんだな?」
「い、いや、ちょっと手が滑って……」
「ほほう……。まぁいい。とにかくお前は俺に逆らうな。判ったな?」
「はい……」
どうやら竜二にはどうやっても勝てないと悟ったようだ。満人は胸をなで下ろした。
「で、娘って?」
「ん?お前ら知り合いのはずだが」
「中本……ってことはアレか、笑華と香織!」
「そうだ」
「笑華は笑華で卓球部の副部長なんだがな……」
「なんだ師堂会長。何か言うことあるか?」
「ないです全く」
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