長編1

□6th
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夏が始まる度にこんな暑さは初めてかもなんて思いながら、いつもと変わらず夏は来る。

学期末のテストも終わり、もうすぐ夏休みっていう7月の中旬。
放課後、用事がある春人の帰りを教室で待つ。
とりわけする事もなくて、窓側の席に座って、グラウンドでやってる部活や帰る人の流れを見たり





あ、あの人。と思って見つけたのは、こないだ廊下で話しかけてきた人だった。サッカー部やったんや。と思っているといつの間にか隣に影ができた。



「誰?」

「(たぶん)吉川先輩?」

「ふーん(こないだの奴か)」

「え、いつからいたん?」



何もないのに影ができるわけなくて、そこにいたのは春人だった。自然と頭に入ってきた質問に答えてたから、改めて尋ねると「さっき」という至って普通な答えのはずなのに春人から感じるオーラは、ちょっと不機嫌だ。



「春人知ってるん?」

「話してたんお前やろ」



俺は知らんで。なんて言いながらカバンを取ってドアの方へ歩いて行く。

やっぱり不機嫌。(ちょっと怖いし)



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