雨乞い

□惚れた方の先手勝ち
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似たもの同士ってのはどこか惹かれるものがあるらしい・・・
俺の知ったこっちゃねぇが。


「あっれ〜多串君じゃん。何してんだよ」
横手から掛かった声で俺の思考は中断された。
この声は・・・
「あ?見ればわかるだろ。隊務だよ、隊務。」
俺は機嫌悪げに振り向いて声の主を見る。
銀髪天然パーマの男。
坂田銀時。
そして、恥ずかしいが、俺の恋人だ。
「ねー遊ぼーぜー」
「テメー、人の話聞いてたか!?仕事中だっつってんだろーがァァァァ!!」
全く人の話を聞いていない銀時に俺はつっこんだ。
チッこいつといると調子が狂うな。
「それじゃあさー、夜は空いてる?」
「あ?何でだよ?」
「今夜花火大会なんだぜ〜」
にっこりと笑顔全開で銀時は言った。
「一緒に行こう」
え?今何つった?
「だぁから〜。一緒に花火大会行こう。」
「何で俺がお前と行かなきゃならねェんだよ」
不機嫌を隠さずにあらわにする。
こうでもしねェと、嬉しさを隠せねェからな。
「いーじゃん。俺と多串君の仲なんだしよォ。」
どーいう仲だよ!?
「オイオイ。忘れたのかよ。
 冷てーなァ。身体重ねたっていうのによォ。」
こ、この野郎は何て事を平気で言いやがるんだ!!?
「テメー、それ以上言うとぶった斬るぞ!!」
「やだねー。多串君、照れちゃって〜」
かーわいー。
はやし立てる銀時の頬を思いっきりつまんで捻る
「いたたたた!!!痛いって!!銀さんの頬が取れるって!!」
「うるせェ。今すぐその口を開かねェようにしてやろうか?」
「照れててかわいー。まァ俺はそんな土方が好きなんだけどね。」
思わず捻っていた手が離れた。
そして歯を食いしばり、
「お前なんてッ・・・・チッ。
 き、今日だけだからな!!」
「ツンデレかよ。まっいーけどね」


その夜、恋人同士のように(実際恋人だが)イチャつく2人組みが
目撃されたとか何とか・・・
片方は銀髪の天然パーマの男。もう片方は黒髪の鋭い双眸の男。
黒髪の男の方は照れくさそうにはにかんでいたそうだ。
その日土方は朝帰りをしたとか何とか・・・・
詳細はご想像に任せることにしよう。





fin
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