雨乞い

□生誕記念♪
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10月10日。
お誕生日おめでとう、銀さん!!







生誕記念♪







それは秋も中盤の頃。
日めくりカレンダーを日課のようにめくる新八は、あることに気付いた。

「あ、確か今日は銀さんの・・・・」
「銀ちゃんが如何かしたアル?」

さっきまで散歩に出かけていたはずの神楽が、ひょっこりと出てきた。

「え〜と、今日は銀さんの誕生日だった気がするんだよね・・・」

多分。
と、語尾に頼りなく付け足す。

「マジでか!!だったらお祝いするネ!年に一度の誕生日アル、張り切って祝うヨ新八!!!」
「うん、そうだね!それじゃあまず・・・買い物に行こうか。」

2人は秋空の下、どこか嬉しそうにスーパーまでの道のりを歩んだ。
そんなに余裕があるわけでもないが、偶には良いだろう。
そんな気遣いと優しさが恵んだのか、その日は殆どの食材がタイムサービスやら何やらでお買い得になっていた。

「何か今日はツいてるなァ、これだけの物があんなに安く買えるなんて!」
「天は銀ちゃんに味方したアルヨ!」

内心ほくほく気分で万事屋に帰ると、早速準備に取り掛かった。
まずは飾りつけ。
貧乏な暮らしの為、華やかに飾りつけられるものが無い。
此処は工夫でどうにかしなければならなかった。

「私、酢コンブの空き箱いっぱい持ってるネ!アレならどうにかすればオシャレになるはずヨ!」

そう言って両手いっぱいに抱え込んで持ってきた空き箱を広げる。
そして、テープと糸を持ってきて暖簾のように繋げた。

明るい色の箱は、意外な器用さを持つ手によって飾りへと変化した。
予想以上に良い見栄えだった。

「へぇ、凄いね。神楽ちゃんこういうの得意だっけ?」
「ちょっとは出来るアル。昔マミーに教わったネ。」

その時の神楽は、とても嬉しそうに笑った。
そして新八も微笑んだ。


「銀さんが帰ってくる前に、仕上げなくちゃ!!」


2人は着々と用意を進めていった。
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