雨乞い

□いちごは赤牛乳は白混ざればピンク
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当たり前な事が無性に嬉しくさせるモノ…







Vvいちごは赤牛乳は白混ざればピンク









スーパーにだって、コンビ二にだって、はたまた自動販売機にだって。
ピンクに彩られたアレが、きちんと売っている。
勿論、言わなくても分かるだろう?

それの正体が“いちご牛乳”だって事に。

それじゃあ、その飲み物を愛してやまない俺の名前も分かるはずだ。
じゃあ言ってみよう、せーの…





「銀ちゃんアル」「銀さんでしょう?」

ああ、バカ…

「オイっ!さっきも注意したばっか…」
「ていうか、何なんですか?意味わかんないんですけど。」
「そうヨ、このメガネの言う通りアル!いちご牛乳の解説してどうするネ?」
「そうそう、ていうか今メガネって言ったでしょ、僕新八だから。そろそろやめようよメガネタ。」
「おお、いい感じに略したよコイツ。何?なんか狙ってんの?皆勤賞か?そうなのかコノヤロー。」
「狙ってませんよそんなん!賞状よりお金のがほしいですよ!!」
「あ〜あ、全く今時の子供は…そんなに金が大切か?どんな夢も金で買い占めようとする奴ではないと思っていたのに、お前はいつからそんな風になってしまったのかねェ?メガネの新八よォ。」
「メガネの新八ヨォ。」
「はいそこ、神楽ちゃん悪乗りしない!ていうか実際問題家計苦しいんですから仕方ないでしょうが!僕だってこんな事言いたくないですよ!しかもメガネの新八って何?なんか僕メガネ屋経営してた噂なんてありましたっけ?」

長いボケと突っ込みが一旦途切れる。
何故かと言えば、新八のメガネ屋経営についての噂に、しばしボケ担当の二人が考えたからであった。

「そういえばそんな噂初耳アル。ね、銀ちゃん?」
「おお、新八まさかテメェ転職するつもりか?全てを投げ出してまでそんなにメガネを売りてェのかコノヤロー。」
「いや、違いますからっ!ていうかコレ話変わってきてるじゃないスか!!元に戻しましょう、元に!!」
「…元をただすなら新八がメガネ屋のことなんて聞くからいけないアル。」
「…………」


ぼそりと本音を言う神楽に、新八は出来る限り聞こえないフリをした。


取り合えず…、と一旦終わった会話を仕切りなおす。
気になるのは自分のメガネ屋の話ではない。
一番最初のいちご牛乳の話が気になるのだ。
何故、いきなりあんな事を言わされたのか、その真意を突き止めるのが今の議題だ。(結構どうでもいい話だが)
とにかく、今やるべきことを間違えてしまっていては何時までも埒が明かず終わってしまう。
それだけは阻止しなければ。(だからどうでもいい話だって!)

先程からどうでもいいと言われているが、どんなくだらない事でも事実を突き止めなければ気がすまないという性を持って生まれたのが突っ込み担当の新八だ。
別にどうでもいいことだが、読者の方にはご了承頂きたい。

「って!どんな説明だよ!!要らないよこんな説明って、ああまた突っ込んじゃったよ!!!!」
「性には逆らえないアル。せいぜい死ぬ時までそういう役割として生きていくがいいネ。」
「そんなァァァァ!嫌だァァァァァァァ!!」
「喚くな、仕方ねェだろ。もって生まれた才能を否定した所で何も変わりゃしねェよ。」

そう言うと、いちご牛乳を飲み始めた。
もうこの際何処から出したのかなんて野暮な事は聞かないでおく事にした。


「で、結局銀さんは何がしたいんですか?」
ズレ始めた話を元に戻そうと、新八は銀時に話を振る。
「あん?だからよォ、アレだ。別に俺ァあんな事する気はなかったんだよ、当初は。」
「図書室…?」
「いや、当初ね。」

神楽のボケもまず交わし、核心に進んで行く。

「まァ、アレだ。え〜っと、何だっけ??」
「知るかァァァァァ!!!アンタ一体何ですか!さっきからアレしか言ってないじゃないスか!!」
「銀ちゃんいい加減にするヨロシ。ちゃんと話さないと私銀ちゃんのこと握りつぶしていちご牛乳にするアルヨ。」

最後の最後に、身の危険を感じる言葉を聞いた。
コレはやばいぞ、何がやばいってマジやばい。
ってアレ?何処かで聞いたような…

トリップしかける銀時を余所に、早くも神楽は牛乳とコップを用意し始めた。



……あ、本当にヤバイ。

と銀時は心のそこから思うのだった。
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