雨乞い

□キューピーブルース
1ページ/4ページ

ああ、歌が聞こえてくる。
お世辞にも綺麗とは言えないけれど、
それは俺の心に何処までも…温かく伝わった

的外れで、何もかもめちゃくちゃな歌なのに…










キューピー*ブルース








こどもの日。
名前のとおり、子供の為の日だ。
否、どちらかというと男の子の日と言った方が適切だろうか。

だから何だという訳でもないが、勿論大人には関係の無い日だ。
そう、普通なら。
いや、大人で本当にごく一部なら該当するかもしれない。
年に一度必ず訪れるあの日であれば…






「土方さん、今日はアンタを殺してやりますぜ。」
「ふざけんな、そして罰を受けてお前が死ね。」

毎日のやり取りが、また今日も。
それが終わる事は、限りなく無に近い。
道があるなら、それはこの仕事を辞退した時か、あるいはこの命が尽きた時。
ただ、それだけだろう。

「知ってましたかィ、アンタ今日…「もういい、黙れ。」

俺はうんざりして総悟の言葉を遮った。
話はきちんと最後まで聞けとは言うけれど、付き合ってられない。
安定剤にも近い煙草を取り出し、火をつけると煙を吸い込んだ。
少し気が治まった様な気がした。

「ちぇ、ちゃんと話くらい聞けってんでさァ…。」
「知るか、テメーの話はたいていロクでもねェだろーが。もう俺を巻き込むな。」

その時は、本当にそう思って言った。
だって、俺は何も知らない。
今日という日が、過ぎた日常と少しも変わらない日だと信じていたから。

だから、小さな言葉も。
何もかも。


俺は無視をした。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ