雨乞い

□生誕記念♪
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今日は珍しく、依頼の仕事を引き受けていた。
意外と簡単な内容で、しかも相手はお金持ち。
おかげで依頼料はいつもより多く貰う事が出来た。

「何か今日はツいてんなァ。」
「そうか、そりゃ良かったな。」

・・・・・え。


聞き憶えのあるこの声は正しく。

「ひっ、土方かよ・・、」
「あん?何だその嫌そうな顔は。」

露骨に嫌そうな顔をする銀時を見て、土方は機嫌を悪くした。

「そりゃ嫌に決まってんだろ、行き成り後ろからドスの効いた男の声だぞ?考えてみろ、そして体感してみろ、ガッカリするから。」
「・・・・、確かに嫌だな・・。」

少しばかり考えて、土方はげんなりとした。

「で、俺に何か用?真選組鬼の副長さん。」
「あ?ああ、今日は確か・・・・お前の誕生日だったよな?」

そう言って、隊服のポケットを探る。
手に握られて出てきたのは小さな箱のようだった。

「ほら、お前にやる。」
「え?おっと!!」

その箱は宙を舞い、銀時の手元へと落っこちた。
綺麗な青いリボンに包まれた、手のひらサイズの箱には、何が入っているのだろうか。

「コレ、開けてもいい?」
「お前のモンだ、勝手にしろ。」
「へいへい。」

ぶっきら棒に吐き捨てる土方を流し目で見送り、リボンを解いてみた。

出てきたのは、銀色に輝くシルバーリングだった。
派手な装飾は無く、裏に小さくイニシャルと英文が彫られていた。

“Happy Birthday” 

「わ・・・、コレ、お前が?」
「何だ、悪ィかよ?」
「いや、全然!・・・・サンキューな土方。」
「おう。」

心底満足そうな土方を見て、余計嬉しくなった。
結局土方は仕事で、あまり話す時間も無いままその場で別れた。



さぁ、我が家へ帰るか。

その時、もう一つのイベントが待ち構えているのを、銀時は知る由も無かった。
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