雨乞い
□生誕記念♪
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万事屋では、十分に準備が整いつつあった。
「神楽ちゃん、そっちは如何?」
「いい感じアルヨ〜後ちょっとで・・・、っと!今終わったネ。」
よっこらせ、と年寄り臭い掛け声をかけながら椅子から飛び降りる。
殺風景だった居間も、酢コンブの箱で飾りつけられている。
結構本格的な飾り付けに、新八は感心した。
「わ〜すっごい!神楽ちゃんもやるときはやるじゃないか!!」
「それ、一応褒め言葉として受け取ってやるヨ。」
お互いぎこちない笑みを浮かべたが、いつ本人が帰ってくるか分からない今は、そんな事で時間をつぶしている暇は無い。
暴れるのは、ことが全て終わってからだ。
2人は心に誓った。
「じゃあ、ちょっと様子見てくるアル。」
「うん。それじゃあ僕は最終確認でもしとくよ。」
各々主役が来るまでの間チェックを欠かさずに行った。
すると突然、先ほど外へ出て行ったはずの神楽が駆け足で戻ってきた。
「新八!銀ちゃん帰ってきたネ!!もうすぐ其処ヨ!」
「本当!?じゃあ位置につこう!」
2人はやや焦りながら所定の位置についた。
カン カン カン・・・
順調に階段を上り、玄関の前まで辿り着く。
其処まではいつもと変わらない。
ガタン、ガタガタ
おなじみの古びた玄関の戸は、いつもより開けづらい。
ついに壊れたか?
そう思った瞬間に、スッと戸が開いた。
「ふ〜;;焦ったじゃねーか・・・ついに反抗期か?」
未だに手を掛けたままの戸を睨み付けた。
靴を脱いで、部屋に上がる。
いつもならこの瞬間に神楽や新八が出迎えてくれるのだ。
けれど、今日はそうではないらしい。
留守なのか、部屋に続く廊下はとても静かだった。
「あれ?何だコレ・・・?」
疑問は其処では終わらなかった。
部屋に続く戸が開かないのだ。
その事に、銀時は半ばキレ気味だった。
「だから・・・、反抗期かってんですかぁ?!」
バリィッ!!!
成す術も無く、けり破った瞬間。
パンパンパン!!
突発的に爆発音が頭上から降ってきた。
「うお?!!!」
とにかくビビリまくる銀時を余所に、子供の声が振ってきた。
「銀さんお誕生日おめでとう御座います!」
「銀ちゃんお誕生日オメデトウアル!!」
嗚呼、ビックリドッキリサプライズ。
内心気が気では無かった。