雨乞い
□生誕記念♪
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・・・・、まじでか。
言葉にこそ出さなかったが、コレはもう。
すっごく嬉しい。
「え?何、銀さんの誕生日知ってたの?お前ら。」
「知ってたというより、思い出したっていうか・・・」
ははは・・・、と苦笑いをする新八。
折角のムードを台無しにする言葉だったが、あまり気にはならなかった。
「この飾りつけは私が全部やったアルヨ!」
「マジで?スゲくね?お前本当にあの神楽か?」
「何を言うカ!まったく失礼な奴ネ!」
だってよォ、コレ・・・。
その続きは言わない事にした。
「銀さん、どうぞ!」
「ンぁ?」
行き成り自分の目の前に何かを差し出される。
第一印象でいうと白い。
全体的に、白い。
しかも、触ったら崩れてしまいそうな・・・って。
コレ甘い匂いが・・・・
「ローソク消してください♪」
「うわぁ・・・・///////」
それはそれは。
銀さんのとにかく大好きなイチゴの乗ったケーキ。
ホワイトチョコのプレートには、
『銀さん誕生日おめでとう』
と書いてあった。
「火が消えちゃう前に願い事するアル!」
「願い事・・・・・?」
願い事なんて、一体何年振りだろう。
昔を少し振り返り、心の中で唱えてみた。
こいつらとの、変わらない日常が続きますように―-----
小さく空気を吸い、火を消した。
「「Happy birthday to you〜」」
その呪文のような歌は、
ひと時の中を流れた。
「銀さん、コレプレゼントです!」
「私からもあるネ!ハイ!!」
そして渡されたのは。
「おっ、サンキュ〜。」
綺麗にラッピングされたままのプレゼントは、
一度手元から離れた。
「あれ?中は見ないんですか?」
「今はな。」
「本当かヨ。」
すぐに見てもらえなくて、機嫌悪そうに吐き捨てる。
「ちゃんと見るに決まってんだろーが。ホラ、メシ食いに行くぞ。」
「え・・・、でもお金が・・・、」
「ケーキ買っちゃったから無いアル・・・。」
「わかってるよ、銀さんに任せなさいって。」
ちらり。
そう言って見せたのは、依頼料。
途端に、2人は笑顔になった。
「キャッホウ!!!」
「わあw」
「ほら、早く来い!!」
それは、幸せな。
ある日のある人の誕生日の話。
end