雨乞い

□行き成り交換ノート
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そして次の日の朝。
銀時は朝刊を取りに玄関に向かった。

「はぁ〜・・・何か寝た気がしねェンだけど。」

ボリボリと頭を掻きながら、差し込むように挟まれた新聞紙を掴んだ。

バサリ

何かが音を立てて落っこちた。

「あ?何だ??」

視線を送ったその先には、四角いピンクが・・・・

ん?四角いピンク??

「げっ。」

それは例の交換日記だった。
ピンクで、ハートたっぷりの、乙女チック満載ノート。

まさかこんなに早く回ってくるなんて思っても見なかった。
暫くそのノートと睨めっこをしていたが、後にも先にも続きを書かなくてはならないのに変わりは無い。
諦め気味にため息をついた後、ノートを拾い上げた。



一ページ目を捲ると、中途半端な大きさの字で交換日記と記してあった。
その下に小さな字で名前と順番が書いてあるのだが、何故か自分の名前だけは一回り大きくなっている事に気付いた。


次のページを捲るのが、本当に嫌になった。
出来る事なら放棄してしまいたい。
この場で羞恥と不幸しか感じられないような、悪ふざけの生み出した産物を破いてしまいたい。


・・・・・、出来る事ならば。
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