雨乞い

□季節外れの桜散る
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「―――ただいま…。」


玄関の戸を引きずるように開けると、すぐそこには顔があった。


「ぅおわっ?!」
「何アルか、そんな情けない声出して。」
「何じゃねーよ、お前こそそこで何してんだ。」

ぶっきら棒に返すと、信じられないというような顔をして目の前の子供は言い放つ。

「見て解らないアルか?銀ちゃん重症ネ…。」
「いやいやいや…、何で銀さん?ちょっとお前それはねーだろ。」
「ああっ新八ィ!!銀ちゃんが糖尿病に侵されておかしくなってしまったヨ!!」
「ええっ?!神楽ちゃん本当?!」
「だから話聞けっ!そしてメガネ!!テメーは後で覚えてろよ!」
「えええ!!何で僕ばっかり…!」


玄関に居る事も忘れ会話は続く


「だからお前がそんな所にいるのが悪ィんだろーが。銀さんは決して悪くない!無実を証明する。」
「ダメネ!私まだ納得してないアル!!」
「じゃあ何だったらいいんだ、言えるもんなら言ってみろコノヤロー。」
「ああ言ってやるヨォ!!じゃあ銀ちゃんは有罪判決を下されるアル!!じゃないと私嫌ヨ!」
「だから何で?!もー嫌この子!銀さん疲れちゃったから寝る!!とにかく中入れろ。」
「あっ、この天パ何するネ!今私の胸触ったアル!!」
「…銀さんアンタ……。」
「ばっ、違ェよ!!誰がこんなぺちゃんこな胸触るか!!銀さんはあくまでも巨乳派なの、しかもどこぞのポリゴンでもないし!!だからそんな目で見るのは止せ!!」
「銀ちゃん酷いアル!私ちっちゃいの気にしてるのに…!姉御に言いつけてやるネ!!!」

半泣き状態の神楽は、銀時の脇を通り抜けるとお妙のいる志村家に向かって走っていった。

「銀さん、如何するんですか?このままじゃ僕達姉上に殺されかねませんよ?というか、僕関係ないんで何処かに隠れてますから。」

これから予想される事態に、新八は呆れてため息をついた。
その隣で銀時は早くも命の心配をする。

このままでは、後数分で殴りこみに来るだろう。
銀時は備えるように言い訳を考えていた。
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