雨乞い

□季節外れの桜散る
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数十分後、お妙は神楽をつれてやってきた。

「ちょっと銀さん、貴方何をやってるんですか?こんな小さな女の子相手にセクハラだなんて、男として最低だわ。」

表情は笑っている…というか、口元は不自然につり上がり、目はなんかもう怖い。
そんな状態のお妙を相手にするのは、自分の命を左右する事と同じであった。

「いや、俺は違う、俺はやってない。つかポリゴンでもないからねコレ。」
「何かしらポリゴンって。だいたい、悪いことした人は皆同じことを言うわ。」
「そうヨ!でたらめ言ってごまかそうとするなんて酷いじゃない!私とは遊びだったのね?!」
「誰がこんなお子ちゃま相手にそんなことするかァ!何その昼ドラ設定!?ピンコはそんな事言ってなかっただろーがァァァ!」
「違うヨ!ピンコじゃなくてレディース4アル、言い直してヨ!!」
「知るかァァ!お前一体何?ちょっ殴っていい?」

バキッ

「ぐぼぉっ…?!」
「銀さん?貴方こんなか弱い女の子相手にそんな事までするほど最低だったのね?」
「や、違…」
「そうアル!銀ちゃんいつも私のことイジメるネ!助けてヨ姉御!!!」
「オイィィィィ!!銀さんそんな事してねーだろーがァ!どっちかと言うと銀さんがお前にイジメられてんの分かってる?分かってねーんだろバカヤロー!!!」
「はぁ…もういいです。バカみたいだわ。銀さんと喋ってるとこっちまでバカになりそうだもの、帰ります。」
「姉御ォォっ!私今日不安で眠れないヨ!」
「そうね…それじゃあウチ来る?」
「行く行く!!」
「どんな番組だコノヤロー!!!」
「天パは黙ってなさい、殴られたいの?」
「いえ、なんでもないです…」
「それじゃァいいわね?さっ、神楽ちゃん行きましょう?」
「キャッホー!!」


喜んでいるはずの神楽の目は、心なしか泳いでいるように見えた。
そんなとき、確実に恐怖していたのは銀時。
そして一番平穏に過ごしているであろう、新八は…


何故だか、押入れで同じく怯えているのであった。
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