雨乞い

□季節外れの桜散る
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「なんだかなァ。」

何もかもが過ぎ去った後に、銀時は呟いた。
表情はいつものように緩みきっているのに、どこかこわばっている。
そんな顔をしながら、新八の居る押入れに向けるように声を発した。


「おい、もうメスゴリラは去ったんだ。いい加減出て来いよ。」

投げかけてやると、新八は痺れを切らしたかのようにため息をつき、押入れから顔をひょっこりと出した。
未だに様子を伺っているようだった。

「はァ…心配しなくても、もう居なくなったっつーの。」

そうなってしまうのも分からなくもないが、一応自分の姉。
少しは前に立つ勇気を身につけてほしいと、銀時は心ひそかに思った。
ならば自分は?などと聞かれれば、そんなもの誤魔化しか、シカトに限る。(要は無理に決まってんだろーがバカヤローと、言う事)


あまりに馬鹿げた争いで、いくらかの時間が過ぎた。
ここはもう軽い度胸であんな悪ふざけは出来ないなと、今回の事で彼等は思ったことだろう。
けれど、そんな目に遭ったところで安全を確保する術を実行しないのが万事屋だ。

鶏までは行かないが、三分たったらウルトラマンのごとく変身が解けるように、そんな出来事も薄れてしまう。
やはり、脳みそはババロア並みなのだろう。




そしてまた、浅いため息をつく銀時だった。









季節はずれの桜が運ぶ、悪い夢。
もう一度拝みたくば繰り返すも良し、
醒めたくば目覚めるも良し…



ただ、この色に目を留めてほしいだけ。
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