□にー
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 「がーおじちゃん。」
 「……何だ。」
 「なんでおめめがくろいの?
 」
 「…」



 可愛い少女は多分、自分の目
 の隈について言っているのだ
 ろう。いろはからの脈絡の無
 い質問に、我愛羅は少し戸惑
 った。テマリ(とシカマル)
 の家に訪問するのは初めてで
 、何時もいろは達が砂に来て
 いた。我愛羅が風影という事
 もあり、我愛羅たちから会い
 に来ることは無かったのだ。
 バキに「会いに行きたくない
 のか?」と聞かれた事があっ
 た。その時は「別に…」と冷
 たく答えていた我愛羅だが、
 心の中では自分から会いに行
 きたいと強く思っていた。そ
 して何故か、不可能だと思っ
 ていた木の葉訪問が実現出来
 たのだ。それもこれも、勘違
 いをしてくれた自分の部下達
 のお陰であった。



 (…ありがとう。)



 「風影様はまだ、いろは様と
 顔を合わせた事がないらしい
 …」「何!それは本当か!?
 」「ああ、バキ上忍とお話し
 ている所をしっかりと聞いた
 。」「…俺達がどうにか出来
 ないだろうか…」我愛羅とバ
 キの会話を聞いていた者が居
 たらしく、我愛羅はまだいろ
 はと会った事がないと勘違い
 した彼らは、我愛羅が木の葉
 に行けるよう、多くの忍びを
 集め、上役に頼み込んだらし
 い。木の葉訪問の許可が下り
 たと嬉しそうに我愛羅に報告
 しに来た部下達の顔は、今で
 も忘れない。



 (しかし…よく許可が下りた
 ものだ)



 自分が木の葉訪問に行けると
 、カンクロウとテマリに伝え
 た時の二人の顔は今でも笑え
 る。二人が驚くくらい、私用
 での我愛羅の訪問は不可能に
 近いものだった。だがそれが
 実現出来た。砂の里も優しい
 場所になってきたのだろうか
 ?と考えるしかなかった。そ
 うして我愛羅はいろはと会え
 る事になったのだ。



 「どーしてえ?」



 そして今に至る。





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