□きゅう
1ページ/4ページ



 「シカマル?」
 「チョウジか…」
 「うん。隣いい?」
 「ああ。」



 今日はチョウジと任務だった
 。今は休憩中で、俺達は火影
 邸の屋上に居る。風が気持ち
 良いこの場所は、木の葉の里
 が一望出来る。結構気に入っ
 ている場所だ。ベンチに座っ
 ていた俺の横に、チョウジが
 ドカッと座る。いつの間に持
 ってきていたのか、お菓子の
 袋を取り出すとバリバリと食
 べ始めるチョウジ。いのに叱
 られるぞ、と言おうとしたが
 止めておく。言ってもチョウ
 ジは聞かないと知っているか
 ら。



 「バリバリ…」
 「……」
 「バリバリ…」
 「……はぁ;」
 「ん…?シカマルも食べる?
 」
 「……;いらねぇよ…」



 やんわりと断ると、チョウジ
 は一袋食べ終えたのか、もう
 一つお菓子を取り出した。こ
 の親友といると、俺は何故だ
 か肩の力が抜けてしまう。気
 が許せる奴だからかもしれな
 いが、チョウジの食い意地に
 呆れているからかもしれない
 。シカマルはまた一つ溜め息
 を吐くと、目線を空に向けた
 。



 「……」



 (我愛羅たちは今頃、ナルトや
 サクラたちと逢ってるんだな
 …)



 昨夜のテマリの言葉を思い出
 す。正面から向き合え、と俺
 の背中を押してくれた妻。よ
 し、一丁やってやるか!と、
 自分にしては気合いを入れて
 いた矢先、今日いきなりの任
 務。本当は自分もナルト達と
 会う筈だったのに、昨日の夜
 に五代目から緊急の任務が来
 ていた。緊急なので仕方ない
 と来てみれば、唯の資料整理
 ときた。溜め息も出したくな
 る。



 『ああん…?何だ、シカマル
 そのやる気のない顔は…?資
 料整理も立派な任務だ!文句
 があるなら、一発気合いを入
 れてやるが……どうする?』



 あの時の火影の黒い顔を思い
 出し、シカマルは顔を青くし
 た。火影から資料整理を任じ
 られた時、今みたく溜め息を
 吐いてしまい、火影の額に青
 筋を作ってしまったシカマル
 。両手をボキボキと鳴らせな
 がら近付いて来る五代目は、
 恐ろしく怖かった。



 (あの目はマジでやばかった
 …!)



 シカマル。
 九死に一生を得た瞬間であっ
 た。





 →

次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ