短編2

□いろはにほへと〜後半〜
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とくべつって?



とくべつなばしょって?



どんなとこなんだろう?






「…晴れてるな。」



「う、ぇ…うん。」






またお父さんがいきなりはなしてきた。



このはのまちをお父さんはドンドンあるいていってる。まだだっこされたままで、すごいたかいの。






「もうちょっとだぜ…」






いつのまにか、わたしもしらないところまで、お父さんはあるいてた。



まわりにひとがひとりもいなくて、とてもしずかなばしょ。






ここがひみつのばしょ…?






「よし…到着。」



「…ふわぁ!」






いろはたちはまっしろなたてものの、いちばんおうえにいるのかな?



おそらのくもがこんなにも近いよ!






「すごい!すごい!」



「…だろ?」



「ここが、お父さんのとくべつなばしょなの?」



「ああ、俺の特等席。」






いろはをだっこしたまま、お父さんはそこにあったおいすにすわった。



お父さんのあしのうえにのるのは、はじめてだからちょっぴりきんちょうしちゃった。






「お父さん、おそらがあおいよー?」



「だな。」



「なんで、おそらはあおいの?」



「あー…お空は海が好きだから、お空は青いんだよ。」



「しょうなの!?」



「ぷっ……ああ。」






そういって、お父さんはいろはのあたまを、おおきなおててで、なでなでしてきた。



はじめてお父さんにあたまをなでなでしてもらえて、うれしいな。






おそらって、うみがすきなんだね!






「…いろは。」



「なーに…?」



「…いろははどうして、今日泣いたんだ?」




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