短編2

□恋せよ乙女〜上〜
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今日は2月14日。天気は晴れ。まだ冬の寒さが残る今年の立春は、私の体にまだ馴染まない。



今日から木の葉の里で任務があるため、昨日から木の葉に滞在している。






「…朝は寒いんだな。」






泊めてもらった宿の窓を開けると、寒い風が私の顔を撫でた。



直ぐに体が冷めてしまい、急いで窓を閉める。床に敷いていた布団を押し入れに片付け、サービスで付いていたお茶を飲みながら昨日の出来事をぼんやりと考えていた。






昨日木の葉に到着した時、いつもの見送り役のシカマルはいなかった。



珍しいことがあるんだなと思いながら、少しだけ寂しかった。






火影邸に向かうため、木の葉の里の中でも一番賑やかな、木の葉通りを歩いていた時、木の葉のくノ一2人が前から歩いてきた。



別に気にすることなく、その2人の横を通り過ぎようとした時、いきなり誰かに呼ばれた気がした。






「ねぇねぇ、あの人ってもしかして砂の里のテマリ上忍?」



「え…本当!?」



「…あ、あの!」



「…あれ?……テ、テマリ上忍!」






いきなり名を呼ばれ、声のした2人のくノ一を見る。



見たところ、この2人に私は今まで会ったことはない。初対面だ。なのに何故こいつらは私の名を知っているのだろうか?






目の前に立っている2人を、上から下までマジマジと見る。



私とは対照的なこの2人は、可愛らしく少し笑うと顔を赤く染め、体をモジモジしながら私を見ていた。






「い…いきなり声をお掛けしてすみません!」



「いや…別に。」



「初めまして!木の葉の忍をしている者です。このような場所で、テマリ上忍と会えれるなんて光栄です!」



「…はぁ;」






いきなりの自己紹介に少し戸惑う。



私が戸惑っていることに気付いていない2人は、目をキラキラ輝かせながら嬉しそうに私に話し掛けてくる。その目には、尊敬の眼差しが見えた。



不思議と悪い気持ちにはならなかった。むしろ、少し嬉しかった。






「あ…あのそれで!」



「テマリ上忍にチョコレートを渡したいのですが…ご迷惑ではありませんか?」



「……は?」




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