短編2

□scene
1ページ/1ページ



メリーメリーX'mas
私からあなたへ
素敵なプレゼントをどうぞ!
(※フリーですので
お持ち帰りOKです☆
元旦まで有効です)






―木の葉の里は毎年この時期になると雪が降るんだぜ。






彼奴がそんな事を言っていたのを、私は木の葉に向かう際にふと思い出していた。



今日は12月24日。天気は曇り。その"雪"というものは空から降ってくるらしいが、この天気だ。降ることはないだろう。



少し残念に思いながらも、私は木の葉に急ぐため、足を進めた。





*******





―雪とはなんだ…?






あの人が発した言葉に、俺は冷静に、この人は砂の里に住んでたっけ?と思い出し、雪の事について話してやった。



今日は12月24日。天気は曇り。世間で言う、X'masイブだ。たぶん雪は降るだろう。今日か明日にあの人は木の葉に来る。



少し期待しながら、俺は家の玄関から外に出た。





*******





木の葉に近づくにつれ、何だか肌寒くなってきた。



四季のある木の葉の里。
暖かい、暑い、温かい、寒い、と四つの季節があると聞いた事がある。



じゃあ今は"寒い"時期なのだな、と頭で理解しながら、ふぅと息を吐くと白い煙が自分の口から出てきた。





「…砂漠の夜と同じことが起こってるんだな。」





砂漠の夜は寒い。
白い息が出るのは寒い証拠だ。
砂と木の葉の接点がこんな所で出てくるとは。なんだかその事が嬉しくテマリはもう一息、白い息を吐いた。




*******





「さみぃ…」





俺はある物を買いに行くため、木の葉の商店街を一人で歩いていた。



自分の吐く息が白いのに気付き、テマリはちゃんと温かくして木の葉に来ているだろうかと頭の隅で考えていた。




いや、着てないな。





そう思い少し笑っていると、目的の場所に着いた。やはり今日は恋人同士が多いのか、店は人で溢れかえっていた。



人混みが苦手なシカマルは少し嫌な顔をしたが、どうしても買わなくてはいけないと決意し、重い足を一歩踏み出した。





*******





木の葉に近付くにつれ、周りに少しずつ民家が見えてきだした。民家と言うよりは、お土産屋と言った方がいいだろう。



お店の扉には「クリスマス」という聞いたこともない文字が書かれてあった。何だか其れが気になり、ついつい足を止めてジーと見ていると、店から女の人が出てきた。





「忍びのお姉さん、何かお探しかい?」





ニッコリと愛想のいい笑顔で話しかけてきた女の人は、どうやらこの店の店員らしい。





「この"クリスマス"って何だ?」



「あら、クリスマスを知らないということは、あんたは他国の方だね。」





そう言うと店員は嬉しそうな顔をしてまた話し出した。





「クリスマスってのは、ある偉い人の誕生日を祝う日なんだよ。」



「…じゃあその人のためにこのような物を売ったりするのか?」



「いや違うよ。それは只の上辺だけの話で、私逹は家族や友人、恋人と一緒に過ごしたり、プレゼントを交換し合ったりしてこのイベントを楽しんでいるよ。」


「つまりお祭りみたいな感じか…?」



「そうだね。あ、お姉さんちょっと待ってなよ?」





私はお礼をして木の葉に向かおうとした時、店員はそう言うと店の中へと入っていった。



どうしたのだろう?、と少し待っていると、手に赤い紙で包んでいる物を持って店から出てきた。





「忍びのお姉さん、あんた綺麗だから恋人の一人や二人いるだろう。居なかったら…あんたの想い人にこれをプレゼントしな。」



「はぁ…?」



「金はいらないからさ、いいクリスマス過ごしなよ。」





そう言ってニッコリと笑い店員は、私に手を振りながら幸せそうな顔をして私を見送っていた。





*******





店からようやくある物を買えたシカマルは、木の葉の門へと足を進めた。





「…早く来いよな。」





そう一人でぼやきながら、空に飛んでいる忍鳥の存在に気付きそいつを見ていた。





「…了解。」





顔がにやけるのを何とか抑えながら、門へと走って行った。





テマリが来る。





*******





店員に別れを告げ、足を進めると木の葉の門が見えだした。



右手にある先程貰った物の存在を感じながら、シカマルの顔が頭に浮かび、直ぐにその考えを消した。





なぜ彼奴の顔が浮かぶんだ!





顔の火照りを感じながら、目の前を見ると門の所で誰かが立っているのが見えた。





*******





息を切らしながら、門の柱を背もたれに使い、テマリが来るのを待っていた。



天気が怪しい…
雪が降ったらあの人は喜ぶかなと思っていると、目の前にテマリが居た。





*******





「…長旅ご苦労さん。あんたやっぱ薄着だったな;」



「シカマル…」



「…俺さ、あんたに言いたいことがあるんだけど。」



「…奇遇だな。私もだ。」



「…俺さ、まだあんたより階級下だし、年下だし、あんたと比べて餓鬼だけど……あんたが好きだ。」



「…奇遇だな。私もどうやらお前の事が好きらしい。」





シカマルの手にはペアのネックレスが、テマリの手にはペアのブレスレットが。



見つめ合って。
二人して笑った。



空から白い雪が降るのはもう少し後…





HAPPYX'mas




X'masシカテマ
楽しんで頂けましたでしょうか?
それでわ★
よいX'masを(∀)



12月24日.甘露飴



.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ