文置き場

□一歩前へ
3ページ/8ページ


ボク達、秋月律子、如月千早、菊地真の3人はいわゆる幼馴染ってやつだった。
家が隣同士っていう訳でもなかった。けどいつも一緒だったんだ。
それだけで幸せだって思えたから。

ボクは小さい頃からやんちゃで男勝りで・・って自分で言うのも情けなくなるけど、そんな子どもだった。今と変わらないって?
ひどいなあ、これでも女らしくなったと思うんだけど。
律子は2つ年が離れているから、ボクらのお姉さん的な存在だった。
「ダメなことはだめなのよ」なんて怒りながらも、優しい目で見ててくれた。
千早はーーー明るくて笑顔のたえない女の子だった。
同じ女の子なのに、なんて嫉妬しちゃったこともあったっけ。
そのくらい、笑顔が似合う少女だったんだ。

小学生なってから2年ほどたったーそんな頃だったかな。
千早の異変に気付いたのは。
何がきっかけかなんて、答えは簡単。


千早から笑顔が消えた。


ただーーそれだけ。
それを強く感じたのはきっと、いつも一緒にいた律子がいなくなったから知れないけれど。
その時ちょうど、律子は家族で経営している店の長期出張だとかで欠席が続いていた。




.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ