ミキと律子・・さんは765プロと961プロのライバル同士。
でも、ミキたちはちょっと前までは仲良しだったの。
ミキは765プロのほかの子たちと比べて入社したのも遅かった。
だから、友達もいなくって一人ぼっち。
仕事への不安はなかったけれど、やっぱりちょっとだけ淋しかった。
そんなミキに積極的に話しかけてくれてたのは、事務のお仕事もやりながらアイドル候補生として活動もしている秋月律子という人だった。
レッスン中にいねむりしてるミキを叱ってくれたのも、一生懸命頑張ったときに自分のことのように喜んでくれたのも律子・・さんだった。
そんなミキたちの関係を変えてしまった全ての始まりは、5ヶ月前の今日起きたことが原因してる。
5ヶ月前の今日、765プロに男の人が入社してきたの。
その人は新しいプロデューサーさんだったみたいで、ミキたちが歌のレッスンしているときにやってきたの。
そして、律子・・さんをプロデュースしたい、なんて言い出したの。
きっとこんな新人のプロデューサーさんに律子・・さんがOK出すはずがない、ってそう思ってた。
けど、律子・・さんはなぜか「わかったわ」と答え、ミキに「私、頑張るね!」と言い、ミキだけを残し別の部屋に行ってしまった。
今思えばきっと、これがはじめての嫉妬っていう気持ちだったと思う。
大切な人が取られてしまった、そんな錯覚に襲われて、それなら逆に律子・・さんからあの男を取ればいい、そんなふうに思っちゃったの。
それから毎日まいにち、律子・・さんとプロデューサーさんが仕事してる間に入って、「ミキのことプロデュースして!律子・・さんなんて見ないで!」と繰り返すようになった。
『プロデューサーさん』が欲しいのではなく、『律子』を返して欲しいその気持ちもいつからか見失っていて、とにかく律子・・さんとあの人が一緒にいるというだけで許せなくなっていたの。
それで、ミキは765プロに入る前にスカウトされてた961プロという事務所に転がり込んだの。

「どういった風の吹き回しかな?」
「社長には関係ないの!ミキ一番になるから、何も聞かないで欲しいの!」
「ふむ、そうかい」

961社長はいつも通りの含み笑いを浮かべ頷いた。
それからは休むこともせずレッスンやオーディションに打ち込んだ。
律子・・さんより目立てば、律子・・さんより可愛くなれば、律子・・さんより有名になれれば、プロデューサーさんは律子・・さんじゃなくてミキを見てくれる。
そうすれば、律子・・さんはミキの元に帰ってきてくれる!
そう思ってたの。でも・・

「美希、ゴメンね。私がいるから、私のせいで・・美希は765プロから出ていっちゃったんでしょう?」

この間オーディション会場ですれ違った律子・・さんは酷い顔をしていた。
その時やっと気付いた。

ミキは取り返しの付かないことをしたんだ、って。

ミキはただ律子・・さんにミキだけ見て欲しいって、前みたいに戻りたいって思ってただけなのに。

「・・どうして」
「え?」
「どうして!?ミキは・・っ!ミキは律子と一緒にいたかっただけなのに!」

そう言い捨ててーー走った。





拍手ありがとうございます〜。ずっとお蔵入りさせてたssを晒していこう企画(?)。


SP速報の美希が961プロ電撃移籍!?で思いついたネタでした。
実際プレイしてみたら、律子とPの立ち位置が真逆なだけでストーリー的にはあまり大差がなかったという(笑)
未だ未完のままなのでいつかは完成させたいな・・。


律子・・さんのドンカン!!



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