ハルカゼ

ハルカゼW
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「おーい、竜波。悪いけど、帰りに名月にこれ届けてくれんか?」

放課後、室田が私に今日配付されたプリント類を持ってやってきた。
ゴリラにも反省はできるらしい。

「確かにあんな暑いとこに、女子生徒を1人で行かせたのは俺の間違いだったよなー。」

「先生、あおの具合、悪いんですか?」
さっきメールしたけどまだ返事が来ない。


「いや、軽い熱中症で済んだらしい。2組の高間が一緒で本当良かったよ。」




ハルくん…か。あの時、体育倉庫からハルくんがあおを抱えて出て来たのには正直驚いた。

ハルくんはあおとずっと仲が良くて、私はいつか2人は付き合うんだろうって思ってた。


あおは恋愛に疎くて、でもそこがかわいくて、いつかハルくんみたいな王子が彼女をひっぱってってくれるんだって。


それが何?!アイツはある日突然態度を急変させて、デクノボーキャラになりやがって。


私たちはそれ以来アイツの話題は避けていた。
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