2人だけの歴史

2人だけの歴史N
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「ちょっと図書室に行ってきます。」


俺は昼休みを利用して教材を作成するために、図書室へと向かった。



昼休みの前半は皆、昼食をとるため、室内には生徒はもちろん、司書教諭さえいない。

静寂に包まれたこの空間で、俺はずっと離れない考えを、また頭に巡らせていた。



『本当の俺』の良さか…、


本当の俺に、良さなんてあるのだろうか。



室田はああ言ってくれたけど、

好きな人にきっぱり完全否定されると、

やっぱり自信なんて微塵にもなくなっちまう…。







…その時、

『――ガラッ』



勢い良く扉が開いた。


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