2人だけの歴史
□2人だけの歴史A
2ページ/4ページ
社会科準備室に戻ると、片付けて行ったはずのデスクが、またもプリントで埋まっていた。
教科ごとで部屋が違う分、やたらと文書で連絡がくる。
全くもって資源の無駄だ。
「あー、お疲れ。森安くん、次は空き?」
「ええ。」
俺はプリント類を読みながら同じく(といっても年齢は俺の倍はあるだろう)社会科教師の花本先生の問いかけに答えた。
『教職員親睦バレーのお知らせ』か。
くだらねー。またやるのかよ、これ。
「いいねえ、今日私なんて1時間も空きがないんだよ。全部授業。やになっちゃうよねえ。」
花本先生がネクタイを直しながら言う。