2人だけの歴史
□2人だけの歴史C
3ページ/7ページ
俺は同じ教師でも、本当は小学校の教師になりたかった。
こう見えて俺は、子ども好きで、子どもを見ると自然に顔が緩む。
付き合った女のわがままは許せなくても、甥っ子のダダなら笑顔で聞くことができる。
だが現実、今教えているのは高校生。
理由は簡単。小学校の採用試験に落ちて、高校のには受かった。
ただそれだけだ。
子どもたちと楽しく工場見学とか行けるんなら、教師間の面倒な人間関係なんて、どーでも良くなるんだろーに。
「ん?」
どうやら体育館裏には先客がいるようだ。