2人だけの歴史
□2人だけの歴史E
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「じゃあ、今日の授業はここまで。ノート集めるから、前に出して行って下さーい。」
今日はノート回収日。テストだけじゃ、赤点だらけになっちまうから、時々こうしてノート提出で点数を上乗せする。
全く…、
本当に提出が必要なヤツほど、こうした俺の配慮を無視したりするんだけどな。
…気づくと、目の前に田中が立っている。ちょっとうつむいて、何か言うタイミングを伺っているのか、そわそわしていた。
「ん?どうしたの?田中さん。」
俺が尋ねると意を決したように、田中が話出した。
「せっ、先生!ノート運ぶの…手伝ってもいいですかっ?!」