2人だけの歴史
□2人だけの歴史G
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「…ククッ、なんだそれ(笑)」
「おっ! イイ顔っスね。そんな顔されたら女子の人気奪われちゃうな。」
どうしたら、そうなる。
なんだ、こいつってこんな楽しいヤツだったのか。
「…変な冗談言うんじゃねーよ。」
俺は室田に聞こえないように小声で言ったが、どうやら室田は気がついたようで、ニカッと真っ白な歯を見せて笑った。
調子がいいかどうかはわからないけれど、最近気持ちに余裕が出てきたのは事実。
あいつとよく話すようになってから、なんだか心がふわふわする。
あと、ちょっとなら地を出してもいいかなって思えるようになってきたし。
まだちょっと勇気がいるけどな。
「じゃあ、お先に。」
俺は笑顔の室田に一声かけて更衣室を後にした。