小説

□泣かないで
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嫌な夢をみた。昔の魂の所有者のころの夢。とても悲しいものだった。それと同時に恐ろしくて予知夢のようで自分にも降り懸かってきそうで。
いつの間にか恐怖から涙が頬を伝っていた。怖くて怖くて涙が止まらなくて………

「猊下?」
いきなり今一番求めていた人物に声を掛けられて驚いた。
「ヨザぁ」
そして見つけて貰った迷い子の様にヨザックに抱きつく。
「大丈夫ですか猊下。何かあったんですか?」
そう言いながらもヨザックは僕を優しく抱き返してくれる。僕はヨザックの質問に答えないまま拙いながらも自分の意志を伝える。
「もっとぎゅってして。もっと……もっと」
ヨザックは僕の気持ちを汲み取ってくれて言われたがまま強く僕を抱きしめてくれた。そして僕はそのまま一時、ヨザックの胸で声が枯れるまで泣きはらした……
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