拍手SS

□泥猫
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第一話

雨が降る
雨が降る
私の上に降る

雨宿りしている私
帰る場所も
無ければ
迎えに来る人も
私には居ない
このまま
雨と一緒に心も躯も
流されてしまえば
いいのに

あら貴方も雨宿り?
お隣どうぞ…
黄金色の髪に
空色の瞳

雨が降る
雨が降る
貴方の上に降る

――行くトコ無いなら俺のトコ来るってばよ――

太陽のような
暖かい笑顔と
透き通った
空の様な瞳で
私を誘う

――ホラ行くってばよ――

差し出された
その手を掴めば
太陽の下に
連れていってくれる?

雨が降る
雨が降る
私達の上に降る

濡れながら
笑いあいながら
手を繋ぎながら

雨が降る
いや

もう雨は降らない
私達の上には
既に虹がたっていた

ねぇ…
貴方の名前は?
ナルト?
私はね…

貴方に拾われた
仔猫だよ
 
 
 
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