「っ…ユ、ユーリ」
「どうした?アッシュ」
首筋から顔をあげて朱に染まる顔を見やる
「そのっ…あのっ…ぇえと、だから…」
眉を寄せてなにやら言葉を考えている様で尻尾がせわしなく動いている。今更照れる事も無いだろうと何時も思うのだが何時までも初々しく可愛いらしい
「特に何も無いのなら…」
「だ、だめッス!!」
再び口を近付けようとすれば掛かる静止
「アッシュ…?」
「俺…っ、ユーリの事全然考えてなくって…だから、そのっ…無理して飲まなくて良いッスよ!!」
「………それは私に飲まれたくないと云うことか?」
いきなり顔をあげて突飛ない言葉を発するアッシュに問えば、しゅんと尻尾を垂らし俯いたまま答えるアッシュ
「そんなんじゃないっす!!ただ……女の人の血飲むって……」
何を言い出すと思えば馬鹿な事を
大方ドラマや本などの入れ知恵だろう、確かに吸血鬼は若い生娘を狙うことがセオリーになっているが…
「私が嫌々飲んでいるとおもうのか?心配せずとも、お前の血はとても…私の舌に合う…」
子供を慰める様に頭を撫でてやりながら、にやりと笑いそのまま首筋に口を付ける
他の生き物とはまるで違う気高き血潮、それに加えてまろやかな風味はアッシュだからこその味
不意に口を離し、血を口内に含んだまま口づけアッシュへと流し込む
「っ、ふぁ…ん。んんっ!?」
「どうだ、美味いだろう…?」
「…ぅう鉄くさいッス」
「ふふ、この味がわからんとは残念だな。」
耳を上下に揺らせ解らないと言った表情で頭を傾げるアッシュを抱き上げてベッドに向かう
こんなにも美味しいと思える血は今までに一度だって無かった…理由なんて簡単な事で、嫌だと言われても私は歯をたてるだろう
そして私は顔を真っ赤に染め小刻みに肩で息をしだした君の耳元で囁こう
愛しているよアッシュ…