Gift

□てるてる坊主
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窓を伝う水滴が数を増し、流れてはまた出来るのをまもりは部室で見ていた。

部室の中にはまもりと鈴音の二人だけ。
部員達は、皆グラウンドに出たままだ。

「この時期の雨は冷えるのに…」

気温の高低差が激しく、風邪もひきやすい。
まして、運動で熱を帯びた身体が冷たい雨によって熱を奪われれば尚更だ。

温かいコーヒーでも淹れて待っていようと立ち上がると、先程から静かに作業をしていた鈴音に目が止まる。

「何してるの?」
「んー………出来た!!これ作ってたの」

そう言って振り向いた鈴音の手には、一つの…

「てるてる坊主?」

小学生の頃、遠足の前日などによく作っていた、白いてるてる坊主。

「…やっぱり子供っぽいかなぁ…?」
「ううん、よく出来てて可愛い!!一緒に作ろう?」

まもりはニッコリ笑うと、部員達が帰って来たらすぐ出せるよう、タオルと身体を温める為のコーヒーを淹れる準備をし、鈴音の横に座った。

「なんだか懐かしいなぁ…」

手元にある紙を丸めながら、まもりはうふふ、と笑った。





     □

部室に戻って来て早々、蛭魔が発した言葉は、

「…ガキか…」
「可愛いでしょ?鈴音ちゃんと一緒に作ったの」
「…持って帰れよ」

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