庭球王子様
□その旋律は、夢見るように・・・。
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「向日、D(デー)のピッチが悪い!慈郎、F(エフ)を高くとれ!」
指示を出しているのは、フルートのパートリーダー兼部長の跡部景吾。
跡部に注意されたのは、バイオリンの向日岳人と、トランペットの芥川慈郎だった。
「Dそんなに悪いのかよ!」
「チューナー見てやれ!かなりずれてるぞ!」
「跡部〜、低くなっちゃう〜。」
「アンブシャで調節くらいできるようにしろ!」
オーケストラ部には、200人もの部員がいる。その中でレギュラーに選ばれるのは難しいことだ。
そのレギュラーに選ばれたら、どんなに音が合わなくても、絶対に合わせなければならない。
その為チューニングには時間を掛ける。
全パートチューニングが終わると、跡部は次の指示を出した。
「今日は個人練習、レギュラーはミーティング室でミーティングを行なう!」
今日は監督である榊先生が出張でいないため、合奏ができない。
レギュラーはミーティング室に向かった。