ぼぅいず・ありす
□ぼぅいず・ありす
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君が笑ってる。
それが、僕らの日常。
周りの男子は、“アリス”を狙ってるスナイパーだよ。
アリスは気づいちゃいないんだ。
君の魅力に、周りは限界だってことを。
一幕「アリス依存症」
「アリス!!アリス!!アリス!!」
少年の大きな声が頭に響いて目が覚める。光が眩しい。朝だ。
「アリス!!アリス!!アリス!!」
「起きてるってば、ショタ」
「…ショタ?!もう、僕は許せないよ! いくら僕のが身長低い(152p)からってさ。僕の目がぐりぐりだってさ。僕の一番嫌いな言葉を口にした君は、遅れるがいいさ!!
知らないよ? あの松本Sに、ナニされても、僕は見てるだけだからね!!」
「お前…見ぬふりはしないのかよ」
「するか!!ガン見してやるっ」
ぷりぷりと怒って部屋を出て行ったショタ。名前は緒田翔太。
背が小さくて、ふわふわの髪型と愛らしい大きな瞳が特徴の可愛い男子、完全にショタ。
ショタとは寮の同室であり、同級生であり、同じクラスでもある。
「アリスー!! 早く、行こー」
「勝手に部屋に入るなよ」
これまた同じクラスの住人の白馬由夜。
なにやら名家の出だとか聞いたけど、そんなのこれっぽっちも感じさせてくれないバカ。
見た目は、まさに白馬の王子様。つまり、カッコ良い。スポーツ万能なのに園芸部に入った不思議な人間。
「花々が俺を呼んでいる」とか言ってたが、由夜の入部理由を俺は理解することが出来なかった。
由夜がなんかキラキラした瞳でこっちを見てる。なに考えてんだか。
「まあまあ、俺たちのラブラブっぷりを皆さんに見せつけてやりましょーい」
朝から鳥肌。
寮の部屋が違うだけでも有り難いぜ。
黙ってれば白馬の王子様だけど、きっと普通の角度で物を見ていないんだ。
面倒くさい…。
「溜め息だなんて、もう可愛いなぁ☆ ダーリンときめき」
ぐふっ!!
ちょっ…抱きつくなよ。
マジ、動けないじゃないですか。
「ちょっ…苦し」
「アハ☆可愛いなぁー」
なに抱き締める力を強くしてんだ。
苦しいよ。死ぬ。死んじゃうから。
こいつ絶対バカっていうか頭おかしいよ。絶対おかしい。く、苦しい骨折れそう……ヤバい。
畜生、奥の手だ…
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