白の鞘




雪が降れば君を思い出す
ねぇ 君は今そこで何を思って微笑むの?

雪のように白く澄んだ肌に浮かぶ
悲しげなその黒い瞳の奥が愛しい

何度も 何度も 何度も繰り返す
"僕は君を守る"と
いつまでもこの生活(とき)が続いたら
どんなに幸せだっただろうか


春を待たず君はどこか遠く 遠く
空の彼方に旅立って二度と帰らない もう笑わない

冷たくて凍えそうな夜に
甘く温かな白梅の香りだけ残していなくなった

何度も 何度も 何度も君の名前を呼ぶ 呟くように
最後に見た君の表情(かお)は今でも僕の心の奥に


守られていたのは僕の方だと知ったよ
今さら届くのか分からないけど
ありがとう


何度も 何度も 何度でも
立ち上がれるよ 大丈夫
もう君は苦しまなくてもいい
今はただ 安らかに おやすみ

僕は行くよ この傷と共に


雪が降れば君を思い出す


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(C)2009
Shota Tsujihama
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