主
□一線
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「お〜いムサシ〜…どこに行くんだよ?」
「ご飯食べに行くの。」
「俺たち金なんか持ってないだろ?」
「タダで食べられるところがあるのよ!」
「えっ…本当か!?」
一線
「ここよ!」
ムサシに手を引かれて連れられてきたところには、可愛らしい小さなレストランがあった。
店の前に立ててある看板を覗き込むと、
『カップルの方は全品無料でお召し上がりいただけます。』
…と書いてある。
ジャリボーイたちを追って、数日前この街にやってきた。
ここに着いてからムサシが上機嫌なのはこれが原因だったのかと、俺は彼女の隣で静かに納得していた。