Novel(メリル)
□ガイメリ
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午後メリルは非番。
そのことを予めわかっていたのであろうガイラルディアは一緒に買物に出掛けないかと早朝から誘いに来た。
みんなが羨ましがる中メリルは首を縦に振ることを渋っていた。
メリル自身ガイラルディアに恥をかかしてしまっていることは申し訳なく思っているのだが、昔っから買物に一緒に行っていることを思い返すと悩んでしまうのだ。
メリルはなぜか二人きりで長時間隣を歩いているのがとても恥ずかしくなり、近年隣を歩いているガイラルディアの顔を見た記憶はない。
またメリルの為に着る物を沢山買ってしまうのには慌てて、またそんなことがあったらどうしようと思ってしまう。
でも結局「ダメかな」と問われると「いいえ」と答えてしまうのだけれど。
メリルは前に買って頂いた服に着替えて待ち合わせの屋敷にある庭園のベンチに丁度の時間に着いた。
けれどもガイラルディアは現れない。
いくら待っても一向に姿が見えない。
どうしたのだろうとメリルは不安になった。
まさか何かあったのではないかと一旦屋敷の中へ戻ろうと顔を上げたとき、急に風が強く吹いた。
その時、庭の奥に人影が見えた気がした。
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