The World
□.hack//1st
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「あのさ、ソレデ何体目よ???」
1st【何かの終わり 記憶の始まり】
Act1:何かの終わり
今回32回目のため息をつく髪の長い女重剣士
「え〜〜?? 32体目w」
お化け状態になっている髪の短い初心者装備の少女呪紋使いは楽しそうに笑う。
「あんのねぇ……;」
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〔よく飽きないね〕
〔だって別視点で自分のPCが倒されとこ見るの楽しいじゃんww〕
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そういう機能があるからこその楽しみというもの。
「あのさ、メノリ」
重剣士は口を開く。
「まだそのPC名で呼んでくれるんだ? メアねぇ」
呪紋使いは笑う。
「もう、オレ、メノリとつるむのやめるわ」
「え。ちょっ…?? どしたの?? メアねぇ」
「あんた、PC大切にしてって何度も言ってるのに聞きもしないで何度もPKされてさぁ…」
「だ……だって…コレだってひとつの遊び方ジャン!!」
「でもね、やられてるアンタはいいよ?? でも、見てるこっちの気にもなってよっ!!!」
突然言われ、呪紋使いは驚く。
そして、固まったまま何も出来ずにいた。
「すごく居た堪れないんだよ…。だから、もう、あんたとはつるまない!!! じゃぁね!! ばいばい!」
そのまま重剣士はフィールドアウトした。
「なんで…? そんなのないよぉ……メアねぇ……」
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「あ〜ぁ。とうとうメアにも見捨てられちったかぁ……」
ログアウトをして、PCをそのまま消去し、FMDをはずす。
(「PCはもう一人の自分なんだからw 大切にしなきゃw」)
前、呉羽(クレハ)に言われた言葉を思い出しながらため息をつく。
もう一度呉羽の言葉を思い出し彼方(かなた)は考える。
「記憶を共有するPC・・・・か」
確かどこかのサイトにそんなPCがいるという記述があった。
「会ってみたいな…」
ポツリと思わず、本音がこぼれ出た。
彼方の指は、新規アカウント製作欄にカーソルを動かしていた。