The World
□.hack//3rd
1ページ/6ページ
「霧深い・・・・」
3rd 【囚われの幻鳥 解放されし力】上
Act1:霧深き守られし場所
「どうもここだけはそのまま転送されるみたいだね」
ヴァルは辺りを見回しつつ言った
「確かにあんまり頭は使わずに来た方がいいみたいだ」
やはり常連者は知っていたのかちらほらと見える
「あれ??? マルク??」
「なに??」
「声が聞こえる」
「まって、誰がどのログ出してるの??」
「わかんない!!! どうなってんの?!」
ザッ
ザアzッ
ザザザザッ
砂嵐が全員の画面を襲う
”プロテクトアンガージブ”!!!!!
ひとつのスキルが唱えられた
砂嵐がやみ
画面は鮮明に映し出された
霧が晴れた大地
クウィン・ベィラーズのメンバー全員は霧の外にいた
「マルク!! ナイスbb」
ウィリアスはマルクを見る
ログもきちんと流れている
マルクの特別スキル”プロテクトアンガージブ”(指定したメンバーにプロテクトを掛けてウィルスからPCを守るスキル)が発動されたのである
「ここまで離れればあの砂嵐起こんないし・・・」
マルクはため息をつく
「そうだよ!! 声が聞こえたの!! 皆聞こえた??」
睦月は全員を見渡す
「あたしは聞こえた」
マルクは手を上げる
「俺も聞こえたぞ??」
アルも手を挙げる
それから残りのメンバーも手を上げ
「一応まとめましょう」
樹緒は全員にそう提案した。
「まずはあの霧に含まれてる砂嵐がひとつ、そして聞こえる声のような歌」
「がいまんとこのこのエリアのイベントだよ・・・ね?」
アリスは確認する
「もひとつあるよ」
マルクはクスリと笑い指を差す
全員が後ろを向く
「「「「「「「何・・・コレ」」」」」」」
違う
後ろではない
上だ
天井に・・・いや空に
金色に輝く大きな鳥篭の中に幻影の美しい空色の大きな鳥が囚われているのを
そして
その鳥篭に続く螺旋階段を目で辿って下を見ると
やはりさっきの霧と同じ濃い、黒霧に包まれた建物の影がうっすらとみえていた