The World
□.hack//5th
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「そういうことでした・・・か」
5th【飛散したり鏡 共鳴すべし唱】
Act1:かの者たちの名
「困ったな。どうしてしまおうか」
少女は風の知らせを受け、多少困ったように笑った。
もう一人の少女も不安そうに二人の少女を見ていた
一人の少女は「あなたは恐れないで」と不安そうにしている少女に語りかけた
「そう、あなたは先に聖堂へお戻りなさい」
もう一人もそう少女に言った
「ですが・・・!! 私もお手伝いしとうございますっ!」
不安そうにしていた少女は少女二人に訴えかけた
話を切り出した少女は優しくその少女の訴えを否定した
「なりません。あなたを失っては私たちの手の打ちようが・・・・・・可能性が消えてしまいます。お戻りください」
訴えかけた少女は「ではっ・・・」ともうひとつ提案した
「では、私(ワタクシ)が聖堂でできることはないでしょうかっ?」
二人の少女はこう言った
「私たちの最後と砦となるでしょうあの聖堂を守るために歌い続けてください」
あなたの聖なる唱で
羽を持ちし少女【エンフィルヌ】は静かに微笑みうなづいた
バサッ
少女の姿から本来の美しい空色の羽をまとった大きな鳥へと姿を変え、桜の花びらを散らしながらエンフィルヌは、彼女と同じ色の空にそびえる聖堂へと向かった
「さて、先ほど紛れ込んだ気配は・・・」
「私たちと同じ・・・いえ、私たちの力に似ていますがとても強いものでしたわね」
紫色の髪を束ね上げたまだ顔は幼さが残る少女は空を見上げ、群青色の髪がまだ残る気配の風に揺れその表情は微笑んでいる少女は興味深そうにつぶやいた
「まさかヘルバ女王の言う遥か先に再び現れるという私たちの生まれ変わりなのか?」
「さぁ? それはどうなのでしょうか・・・・・・?」
クスクスと笑うが、再び風が吹いたときに蒼色の賢者は表情をゆがめた
そして腰の袋に入れていた宝珠を取り出し一本の月をかたどった杖に替えた
紫色の賢者も背中にかけていた神槍を片手に構えた
「アリム、このフィールドの桜の結界は後どのくらいもちそうなんだ?」
紫色の賢者はアリムと呼ばれた蒼色の賢者に尋ねた
「せいぜいもって・・・・数分でしょうか。彼らがここに到着するまであと少しのようですからぎりぎり間に合うか・・・それとも・・」
「皆(みな)は言うな。考えたくもない」
アリムは「承知いたしました」と多少小さく笑いながらうなずいた。
ふとアリムは聖堂を見た
嫌な予感がしたのだ
「・・・ヴィジョン」
自然にもう一人の賢者を呼んでいた
「どうした。」
アリムは指をさす
ヴィジョンは”それ”を見た
「・・・アリム、ヘルバ女王は”波”は何体いると言っていた」
アリムの表情がゆがむ
「彼女は”八相”・・・と」
「では、”あれ”はなんだ。なぜ・・・」
エンフィルヌが捕らえられている?