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04/15(Sun) 22:31
ナンパ師二人・良い酒と良い女
匠那

「んぐ…ん?」
レンガで整備された街道の脇で岩に座りトントンと手のひらにスキットルを当てる金髪の男。どうやら空になったらしい。
「チッ…。」
「切れたか?」
「切れた」
応えるは黒い髪をモスグリーンのバンダナで包んだ男。岩にもたれかかりながら金髪の男の方に顔を向ける。
「お前の飲ませろ」
顔を向けず手を出す金髪の男。
「ほい。」
顔を向けたままスキットル…ではなく岩塩をわたす黒髪の男。金髪の男はそうとは知らずそのまま反射的に口に――
「しょっぺぇっ!!舌が全力でアテンション!!黒猫!!てめえ何しやがる!!」
岩の下には当然黒髪の男―黒猫はおらず街道を歩いていた。

N701i
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04/15(Sun) 22:43
ナンパ師二人・良い酒と良い女
匠那

「おい黒猫!!お前の脳内じゃこれが酒なのかよ!!」
「酒の友だよな。粗塩」
「岩塩だろうが!!磯の香りよりもエキゾチックだぞ!!」
「いいだろ、エギゾヂック。」
「言えてねぇじゃねぇか!!とにかくお前のスキットルよこせ!!」
言葉よりも早く手はスキットルに。が、黒猫の防御も同時だった。
「グラッド君。もらいっぱなしなんて都合のいい話があると思うかい!!」
言いながらスキットルをぐいっと引っ張る。
「オメエが切れたとき飲ましてやったのはだ・れ・だ!!」ぐいっ。
「三歩歩いたらわ・す・れ・た!!」ぐいっ。
「名前が猫のくせに頭はと・り・か!!」ぐいっ。
器用にも二人は歩きながら奪い合っている。

N701i
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04/15(Sun) 22:56
ナンパ師二人・良い酒と良い女
匠那

しかし奪い合いは意外な形で終止符を打つことになる。
「よ・こ・せ!!」
「い・や・だ!!」
「こうなったら…あ、巨乳のラテン系美女があそこに!!」
「ファンタジスタ!!って引っ掛かるかっあっあっ!!」
ひゅーん、ぽちゃん。
「「あ〜〜〜〜〜〜〜っ!!」」
最後の一撃とばかりに突っ込むグラッドとフェイントでかわそうとした黒猫の手と手が激しくぶつかり合いスキットルは小川へと旅立った。
「「…。」」
二人とも川の流れを眺めながらおもむろに紙巻きタバコを取出し火を付け一息。
「スキットル…何個目だっけ?」
「お前が今ので四つ目。ちなみに俺は五つだ。」
「そうか…」
「学習しねぇな、俺等。」
「な。」

N701i
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04/15(Sun) 23:07
ナンパ師二人・良い酒と良い女
匠那

「残金は余裕あるんだけどな。」
「いつもながらこの喪失感はどうにかならないのかね?」
「な。」
「行くか。」
「ああ。」
タバコをくわえたまま二人は歩きだした。受動喫煙?何それおいしいの?

そんなこんなでおとなしく街に着いた二人。空は少し赤くなりはじめている。
「さて…と、宿は間に合いそうだな。」
「な。…ん?」
「どうした?」
「グラッド、今金はいくらある?」
「…大体8万ケルだな。」
「そんなにあったっけ?」
「とぼけるなイカサマ師が」
「そうだな共犯者」
表情一つ変えてないが、この二人、大悪党である。

N701i
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04/15(Sun) 23:22
ナンパ師二人・良い酒と良い女
匠那

「んで、なんだよ?」
「さて、これなるビラにはジンカイ大感謝祭とある。」
「ふむふむ…さすがは酒の街。そこで派手にドンチャン騒ぎなわけだな?」
「ご名答。各酒蔵が自分のとっておきを大盤振舞だそうだ。」
「んで、何故に所持金を聞く?」
「飲み比べが参加費五千ケル、優勝者には三十万、準優勝で十万だそうだ。」
「ほうほう…他にはなんて書いてある?」
「最終日にどの酒蔵のが一番うまかったか投票らしいな。スタンプが各宿屋にあってすべてのスタンプを押さないと無効票になるらしい。」
「きっちりやるんだな〜。いつからだ?」
「三週間後に開始。一週間続くらしいな。」

N701i
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