本棚2

□メモ
1ページ/4ページ

「フランキー…何してんの?」
「おー、麦わらか。お前のメシはまだだ。そこに座ってちょっと待ってろ」
「うん。じゃなくて!何してんの?」

とりあえず、イスに腰掛けてルフィはなぜかキッチンに立っているフランキーに再び同じ質問をした。

「何ってメシ作ってるに決まってるだろ?」
「そう…だな」

不思議そうな顔をしたフランキーにルフィは微妙な表情で頷く。
確かにサンジのように料理を作っている。
しかし、ルフィが聞きたいのは何故フランキーが料理を作っているかだ。

「みんなは?」
「お前、寝てたから昼飯は先に食ったぜ。各々自由にしてんじゃねェか?ほら、さっさと食っちまえ」
「そっか。うん、とりあえず食う!いただきます!」

当たり前のようにフランキーが食事の用意をした。手際がいい。
色々と言いたいことはあったが昼食を摂るのが腹も空いているので先に食べてしまうことにした。
あっという間に食べ終えてルフィはフランキーを見る。

「ごちそうさま!おいしかった…フランキーが作ったのか?」
「当たり前だろ。コックだしな」

フランキーは当たり前のように食器を片付けた。

「ぶっ……ふ…そうだよな〜じゃあな!」

笑いそうになり、口を押さえてからルフィは甲板に走り出る。

「なんだァ?…あいつが変なのはいつものことか」

ルフィの態度を不審に思いつつも、フランキーは食器を洗い始めた。



***



「フランキーがコックって!あっははは!」

甲板に走り出たルフィは、こらえられず大笑いした。

「何、笑ってんだ?」

ルフィが声の主を探すとゾロが不思議そうにルフィを見ていた。
ゾロは甲板で本を読んでいる最中だったようだ。
その様子に驚き、ルフィは笑うのを止めた。

「えー?ゾロこそ…どうしたんだ?本?」
「ん?あァ、前の島で買ったんだよ」
「いやいやいや…うわ、字ばっかり」

当たり前のように言われてルフィはゾロの読んでいる本を覗き込む。
簡単な本ではない。
例えて言うならロビンが読むような、そこまで考えてある仮説に辿り着いた。

「もしかして……ゾロ、ウソップどこ?」
「ウソップ?見張りか、もしくは地図でも描いてんじゃねェか」
「ロビンは?」
「この前、お前が壊したテーブル直してたぜ」
「やっぱり!!」

自分の閃きにルフィは興奮してしまった。
からかわれているという雰囲気ではない。
夢にしろ現実にしろ、クルーの役職が変わっているのだ。
なんだか面白くて、わくわくしてしまう。
ぽかんとしているゾロに近づく。

「おれは、なになに?」
「は?」
「船長?」
「そうだけど」
「……そっか」

なんだか、しょんぼりしてしまった。
いや、船長でいいのだが、せっかくなので違う役職が良かったのだ。
なぜだか落ち込むルフィにゾロは焦る。

「だ、大丈夫か?」
「……うん。なんか、つまんなかっただけだ。あ、他のみんなも見て来よっと〜ありがとな、ゾロ」
「……あァ」

ニカッと笑ったルフィにゾロは赤面しつつ、見送った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ