novel
□朝が弱い君
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僕の愛しい奥サマは朝が弱い。
毎朝、僕が目を開けるとあどけないリディアの寝顔がすぐそばにある。
もうかわいくて愛しくてしかたがない。
僕は彼女が起き出すまでそのかわいらしい顔をずっと眺める。
もう朝の日課みたいなものだね。
甘そうなキャラメル色の髪の毛を持て遊びながら、僕はこのうえない幸せに浸る。
だって君がこんなに近くにいるのは奇跡みたいなものだから。
僕が君にどんなに恋こがれていると思う?
他の女性に興味がなくなるくらいに。
だから、僕はときどき不安になるんだよ。
こうして僕の隣で眠る君は僕がつくりだした幻ではないだろうかって。
目がさめたら消えているんじゃないかと脅えているよ。
だから今では君を抱き締めていないと眠れなくなってしまった。
そんなことを眠っているリディアに囁きかけても彼女は僕を置いて夢の中。
当然、夢の中にも僕は登場しているだろうね。
どこにいても一緒にいたいって願っているのだから。
ふいにリディアは寝返りをうって僕に背をを向けた。
あのね、リディア。僕から逃げるのは許さないよ。
ころんと転がしてこっちを向かせる。