novel
□リディアの悲劇
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夜、リディアは自宅で入浴を楽しんでいた。
今日もゆっくりと疲れを癒す。
特にあの口説き魔の相手は疲れるのだ。
上機嫌に鼻歌を歌う。
「よぉ、リディア。楽しそうだな。」
そういって現れたのはケルピーだ。
しかも浴槽の中から…。
満月の綺麗な夜。
カールトン家から家を揺るがすほどの悲鳴が放たれた。
*****
最悪だわ。
朝、リディアはげっそりしながら伯爵邸へと向う。
「何うかない顔してんだよ。昨日はなんかわからんが悪かったって言ってるだろ。」
「絶対悪いって思ってないでしょ?!…ていうか見た?」
おそるおそる聞いて見る。
「は?何をだよ。」
「…ぁ、あたしの体///。」
「んなもん見るか。」
リディアは少し安心する。
この妖精はことの大事さがわかってないのだ。
「とにかく!絶対このことは誰にも言わないでよ!…特にエドガーには!」
あの伯爵のことだ。きっと面倒くさいことになるに違いない。
「わかったよ。」
やけに素直だ。
しかしケルピーにとってはなんてことない出来事なのだろう。
だからリディアの気も少しは楽だった。