novel

□届かぬ恋慕
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『心配するな、アーミン。リディアには何もしていない。』

アーミンは一瞬耳を疑った。
エドガーが罪をおこさなかったことに力が抜けそうにはるくらいほっとする。

しかし、同時にいいようのない痛みが胸に広がった。
『少しばかり昔話をしたよ……』

そう語るエドガーは最近、みたこともないくらい楽しそうだった。
そしてかすかに穏やかな表情をみせる。

アーミンは内心驚いた。
滅多に見せないエドガーの表情。

それはリディアがエドガーに穏やかな感情を呼び覚ましているのだろうか。


私がやりたかったことをあの少女が……

来たばかりの少女が…


エドガーがリディアを傷つけずにきたのはだだの気まぐれかもしれない。

―でも予感がする。

あの少女はもしかしたらエドガーさまを救ってくれるかけがえのない存在になるのでは、と。

エドガーさまのあの表情。
あの少女が来てから変わったきた行動。


では、私は……?

これからエドガーの何になれる?

彼を救える?

…いいえ。彼をプリンスで縛ることしかできない。

私の居場所は…なくなる。

彼を穏やかな気持ちにすらさせてあげられないのだから。
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