novel*長編*

□恋の輪舞
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リディアが無事に戻ってくると、魔物が消えた喜びで宴が開かれることになった。

村をあげてのパーティーを楽しみに、村人たちが広場に集まる。

ダンスに歌、酒宴で盛りあがる広場は、普段の村からは想像もできないほどにぎわっていた。

許嫁どうしなのか、たくさんの若い男女がくるくると踊るなかに、テオとトレイシーの姿を見つけたリディアは微笑んだ。

それを少し離れた場所で、眺める。

「リディア、そんな落ち込むなって。シルキーのこと、俺もわからなかったんだからさ。あんな、怨念たっぷりのできそこないのシルキー、だれが予想するっての」

ニコは、スコッチのグラスを傾けたまま話す。

「いいじゃねえか。村長の娘を助けることができたし、魔物は退治できたし、優秀だよ」


「……そうね」

言われてみれば、すべて解決できたのだ。

少し元気をとり戻したリディアに気づたニコは、さっと立ち上がった。

「ああ、上出来だ。……てことであの魚のフライをもらってこよう」

ニコは四本足で、駆けていく。酔っていても猫のふりは忘れていないようだ。

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