おおふり

□結果、辿り着く場所3
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『この後時間ある?』








タオル片手に放たれた言葉。どうしてそんなこと聞くんだろうとか思ったけど、部活は4時に終わって(一日練習だから)、とか考えてるあたり頭は回っていると分かった。そんな自分に驚いてみたり。あたし成長したなあ…って感心している場合じゃなくて!


「4時に部活終わる…けど、そっちは?」
「あー、練習試合終わったら学校戻ってダウンして、多分5時には終わる」
「そっか、」

電車時間考えたら、ぴったりじゃないの。でも正直二年振りに再会した元カレと会うのってどーなんだろう。ぶっちゃけ気まずさマックスになると思うんですが!
こーすけはそーゆーの思わないのかな。とりあえず何か答えないと!


「あのね…!」
「ちょっと!いつまでそこにいんの、休け…あれ?」

全く変なタイミングで来たねえ、うちのキャプテンは!こーすけもキャプテンもお互い誰?って顔してるし。

「えーと、休憩終わるし早く来てよ(かっこいー人じゃん、何者?)」
「ん、分かった」



とりあえずこの場から立ち去る口実は出来た(ごめんね)。

「ごめん、戻らないと」
「おー、悪りぃな」


ばいばい、って後ろ振り向いてなんだか安心した。でもそれも名前呼ばれて直ぐに一時の安心となった。

「駅で待ってる!」

それだけ言ってこーすけはグラウンドに走っていった。
駅で待ってるってそんな!どうしよう、今からドキ言ってるんですけど。何言われるんだろ。あぁ、もう!練習に集中出来ない!(折角全面使えるのにっ)





「ねえ、さっきの野球部の人って元カレ?」
「ぶーっ!げほっ」
「ちょ大丈夫?」

な、に確信突くかなあ!ポカリ吹き出したじゃんか!
生憎鍵閉め担当のあたし達(キャプテンね)しか周りにいなかったから良かったものの。図星かぁってにやにやしてるし。電車時間もまだあるから、この際相談ついでに話してしまおうか。そうだ、そうしよう。

「実はね、」





別れた原因(あたしのこと)は話さずに今日あったことだけ説明した。なんで言わないかって?この人に話すと余計ややこしくなるから。また今度言うことにする。


「二年音信不通の元カレが、ねえ」
「あたしとしては会わす顔ないんだよね」
「(一体何したのよ)でもさ、」

茶化したり、バカにしたりしてくるけどやっぱキャプテンするだけあっていいこと言ってくれる。そんな中も当然だけど、刻々と時間は過ぎていく。




「あ、もう時間だ。ありがとね」
「いえいえ。あ!最後に一言」
「んー?」
「音信不通だった元カノを呼び出すなんて、」


今思えばにかっと悪戯な笑みを見せる彼女から逃げなかったあたしはバカだと思う。










結果、辿り着く場所3
(、ヨリ戻すくらいよね)




2008,04,06
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泉もどきどきしてんだぜ。

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