おおふり

□もしもしマイハート
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青春を部活に捧げた中学を卒業してはや5年。ただいま久しぶりに同級生みんなと顔を合わす同窓会中なのです。

その前に成人式があったんだけど、みんなの振袖姿がかわいくてかわいくて堪らないったらもう(親父か)。
成人式は他校も合同だったからその他大勢だしオシャレしてるから、みんなの顔把握しきれてなかったんだよね。卒業してから連絡取り合うのなんて数える程で、正直誰が誰か一致しないのが本音だったり。
だけど、同窓会で集まったら見た目は多少チャラかったりギャルってたりするけど、中身はみんなそのままで中学の頃に戻ったみたい(あは)。



「で、泉とはどーなの?」
「ぶーーーーっ!!」
「ちょ、きたなっ」


本日何回目の質問でしょう。話す女の子みんな(時々男子も)一緒なこと聞いてくるもんだから思わず噴き出してしまった。

泉こと泉孝介は小中の同級生。過疎なわたしの中学校は1学年2クラスしかないもんだから、中学3年間は同クラスだった(他にもいるけど)。
わたしと泉はお互い憎まれ口叩くみたい関係で、まあ気付けばわたしは泉にベタ惚れだったという。おまけにわたし顔にもの凄く出るタイプらしく(自覚なかった)、友達にはバレてるわ、卒業式間近で泉に冷たくされるわで、散々な別れ方した記憶がある。



「なんっにもないって」
「うそ」
「だって考えてみてよ!卒業してもう5年じゃン」
「うん」
「それなのにまだ好きとかそんなの」


宴会場の隅でこそこそと話しているとわっと上がる男子たちの笑い声。
その中には泉の姿もあって(そういえば今日話してないなあなんて)、昔と変わらない無邪気な笑顔を見えた。



「…そんなの、(ばかじゃン…)」
「(ったく…好きなんじゃん)」


くしゃりと髪を乱されてはっとした。



「アイツ、まだ彼女いないんだって」

だ、だからどうしろと…!
諭すように優しく笑う友達に心の中見透かされてるみたいでなんだか恥ずかしい。あ、顔に出やすいんだった。
てゆかあの笑顔から目が離せなかったとかそんなばかな。


本当にばかじゃン…わたし。












もしもしマイハート
(懐かしいなこの高鳴り)




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(20130303)

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