短編2

□星屑ロマンス1
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「肝試しぃ〜!?」


今日も合宿という名のキツイ練習が終わって、ぽっかぽかなお風呂上がりのあたしに告げられた言葉は衝撃的なものだった。みんな練習でくたくたな筈なのにどうしてそんな発想出来るかな!暗いのは平気だし肝試しに興味はあるけども、今から寝ようと思ってたのに。
なにせ朝は6時起床で9時には練習開始。午後からは強豪校と練習試合。山奥でしてるから(少しでも涼しいようにって)、炊事洗濯は勿論自分達でしている。そしたら寝るのは深夜。これが一週間続いてるんだからもう疲れはピークよ。だからこその肝試しってか?まぁ今日が合宿最終日だし、前から肝試しやるぞって話はあったから本当にやるのかなーなんて半信半疑だったけど。同部屋の人達いないと思ったら準備中だったのね。あたし何も知らなかったのね。いーよ、参加してあげよーじゃん!




「こっちこっちー!」
「うわー…これもしかして全員参加?」
「まあねー」

部員がこれだけいて顧問がいないあたり内緒で行うんだな肝試し。しっかしよく集まったなぁ、一部の奴らは興味なさそうなのに。
話を聞くとどうやら脅かし役は既に持ち場についてるらしい。ぶっちゃけさっきも言ったけど暗いのはほど好い恐怖で好きなんだけど、お化け屋敷は絶対入んないんだよね。だからこういう肝試しってあたし大丈夫なんだろーか…うーん。うちのバスケ部、結構お祭り騒ぎ好きだから本格的にやられるとヤバイかも。

そんなあたしの不安をよそに進行は進められていく。なになに、男女二人ペアで森の奥にある神社に置いてあるバスケットボールに来年の祈願を書いてくる?あとなんとなく、なんとなーくだけどこのペア仕組まれてない?若干、カップルペアだったり、片思いペアが見受けられるんだけど。てゆーかあたしのパートナー誰よ。


「ちょっと何してんのアンタこっち!」
「はぁ〜?」

ぐいぐい手首を引っ張られて順番を待つ列に並べられた。と思ったら、友達は神社で待ってんね!と告げて数人と闇の中に消えていった。え、なにアンタ脅かし役?待機組?あたしのパートナーは?もしかして一人ですかイジメですかそうですか(はい決定)。
バックレようかと迷っていると後ろから低い声で呼ばれた。

「あ、日番谷。何どしたの」
「どしたの、じゃねーよ」
「あれ、アンタもペアいないの?」

一人でいる日番谷にそう尋ねると呆れたように深い溜め息を突かれた。なにさその溜め息。あ、もしかして。

「あたしのペアって日番谷?」
「あぁ」
「なんだ、早く言ってよね!」

あー良かった一人じゃなかった。まじ一人だったら逃げようかと思ったよ(あは)日番谷なら女の子置いてく、なんてこともしないだろうし安心。
ふざけてんね、この肝試しとか雑談してると直ぐに順番が回ってきた。てゆーか最後かよ。微かに叫び声すら聞こえるんですが(どんなマジなの皆さん)。

「お前ってこういうの苦手?」
「んー大丈夫と言っておく」
「泣き出しても置いていくからな」
「や、それはないだろーけど…酷くない?」

肝試しに興味なさそうな奴No.1は日番谷なんだけど、参加するあたり案外そうでもないのかも。とか思ってみたらこの言葉。さっきの安心があっちゅー間に吹き飛んだでないか。うーん、掴めない奴。
まぁそんなこと言ってても仕方ないもんね。いざ出発!(って暗!)(暗いのは平気だけど!)


「ねえ、神社の場所知ってる?」
「いや?いきなり連れて来られたからな。この道進めばあるんじゃないのか?」
「おぉう、まじ?」









星屑ロマンス1
(上手くいくかな)
(俺たちの腕次第だな)




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(081103)
仕組まれた肝試し^^
口調わたし似なゆな。

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