じゅんがーる!

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執務室を出ると何人かの隊員に挨拶をされた。明るく挨拶してくれる彼らに、きっとわたしは早口で、おまけに早足だっただろう。
だって隊舎を出た途端、鼓動がいつもの数段早いことに気付いたもの。




数回深呼吸して四番隊隊舎へ歩を進める。

乱菊さんの助言に今更やっと気付いた。九番隊にいた頃もすいませんって言うと修兵さん少し困ったような笑顔を見せたもの。
さっきは突然お礼を言ったから日番谷隊長、ぽかんとしてたけどあのとき言わなきゃ言えない気がしたし、あれで良かったよね。

とにかく!ああやって怪我のこととか気にしてもらえたらありがとう、よ。よし!ひとつ学んだ。




書類を届け終えて、軽い足取りで歩いていると前方から見慣れた袖無し死覇装。察しの通り修兵さんです。
修兵さんもわたしに気付いたみたいで大きく掌を振ってきた。


「修兵さん!」
「おー、今日は元気そうだな」

にっと悪戯な笑みを見せる修兵さんは、以前わたしが泣いていたときのことを言いたいようで、思い出すと顔が熱くなった。
内緒ですよ!と慌てて唇の前で人差し指を立ててみたけど、ふと日番谷隊長に見られていたことが頭を過ぎる。そうだ、修兵さんに聞いてみよう。と思ったら先に修兵さんが口を開いた。



「その顔見ると仕事上手くいってるみてえだな」
「はい、以前よりは大分」
「日番谷隊長に対する気持ちも分かったか?」
「っ!」


修兵さんの直球な問い掛けに思わず視線が下がり顔が熱くなる。覗き込んできた修兵さんはわたしの照れを隠すようななんとも言えない顔に、お前ほんっと可愛い奴だな!って頭を胸板に引き寄せた(こ、こけるっ)。

ふと思った。修兵さんにこういうことされてもあんまりドキ言わないけど、もしこれが日番谷隊長なら心臓壊れそうな程バクバク言うんだろうなって(修兵さんごめんなさい)。あ、忘れてた。



「実はですね、日番谷隊長に見られてたみたいで…あ、会話は分かんないんですけど泣いてたのを、」
「は、本当か?」


わたしの言葉に驚いたように声を上げた修兵さんは頭を離した。当然よ、わたしも驚いたもの。
続きを話そうとするわたしに修兵さんはちょっと待て、と制止をかけた。話の山場はこれからなんですけど。



「もしかして、俺抱きしめてたのも…」
「はい、恐らく」

さすが修兵さん、読みがいい。
はは、と顔を引き攣らせるわたしの横で焦った表情をする修兵さんはまずいな、と小さく漏らした。


「日番谷隊長、勘違いしたかもしんねーぞ」
「何をです?」
「俺とお前の関係を、だよ!」
「あぁそれならもう付き合ってるのか聞かれ……あ!」




そうか、だから日番谷隊長あんなこと聞いてきたんだ。

なんで修兵さんとのことを尋ねてきたのかずっと不思議だったんだ。
もし、会話が日番谷隊長には届いていなくて、抱きしめられているのを見られていたとしたら、修兵さんの言う通り勘違いするかもしれない。だって泣いてるのを見ただけで付き合ってるのか聞いてくる可能性は低いじゃない。

どうして気付かなかったんだろう。日番谷隊長は見ていた。そして多分会話は聞こえていなかった。



以前否定はしたけれど、まだ不信感を抱いているとしたら…。


「ど…どうしよう、修兵さん」









全て繋がるまで
(ちょ落ち着け!とりあえず溜まった涙拭け!)



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(091017)
この話一気に書けた^^何故。

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